【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25380.74  △264.98 (11/1)
NASDAQ: 7434.06  △128.16 (11/1)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が中国の習近平国家主席と電話協議し貿易に重点を置き多くのテーマについて話したとツイートしたことで米中貿易摩擦への懸念が後退したことから3日続伸となりました。26ドル高でスタートし昼過ぎに250ドル高近くまで上げ幅を広げたダウ平均はその後一旦上値が伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤に一段高となり280ドル高まで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均は結局264ドル高の25,380ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も128ポイント高の7,434ポイントとなっています。

2.経済指標等

10月の米ISM製造業景況感指数は57.7と前月から低下し市場予想も下回りました。9月の米建設支出も前月比で横ばいとなり市場予想を下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の21万4000件となりましたが、市場予想ほどは改善しませんでした。さらに7-9月期の米労働生産性指数速報値は年率で前期比2.2%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が上げました。そのなかでも素材が3%高となったほか、一般消費財・サービスも2%を超える上昇となっています。さらに資本財・サービスとヘルスケア、情報技術も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

決算で1株利益が市場予想を上回ったダウ・デュポン(DWDP)が8%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)やキャタピラー(CAT)も3%近く上げています。アップル(AAPL)も1%以上上げましたが、取引終了後に発表した7-9月期の決算は市場予想を上回る増収増益となったものの10-12月期の売上高の見通しが市場予想に届かなかったことから時間外で大きく売られています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったニューヨーク・タイムズ(NYT)が7%近く上げました。後発医薬品のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(TEVA)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し15%余り上昇しています。一方でアパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)が投資判断の引き下げを受けて4%以上下げています。音楽配信のポティファイ・テクノロジー(SPOT)も決算で月間利用者数の見通しを引き下げたことで5%を超える下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い3.13%となりました。ドル円は112円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日の米国市場の上昇がプラス材料となる一方で、アップルの時間外での下落や円高がマイナス材料となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円や米株先物、中国市場の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)