東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は232円安の2万1687円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数はいずれも下落しました。昨日の米国市場で主要指数は上昇しましたが、日経平均は昨日までの2日間で800円近く上昇していたことから、日経平均は14円安の2万1906円で寄り付きました。日経平均は寄り付きが1日の高値になると通信各社の大幅安が重石となりその後は急速に下げ幅を広げて一時は235円安まで下落しました。やや下げ幅を縮めて前場を170円安で終えた日経平均は、後場に入ると再び下げ幅を広げる展開となりました。引けにかけても軟調で一時292円安まで下落した日経平均は結局232円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆2704億円となりました。東証33業種は8%を超える下げとなった情報・通信業を筆頭に、金属製品、石油石炭製品、医薬品など20業種が下げました。一方で保険業や不動産業、倉庫運輸関連など13業種が上げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。本日は通信各社の大幅な下げが特徴的でした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が8%超下げたほか、KDDI(9433)が16%超、NTT(9432)とNTTドコモ(9437)がそれぞれ15%近く下落しました。寄与度が大きいKDDIとソフトバンクグループの2銘柄で日経平均を183円あまり引き下げています。昨日NTTドコモが決算発表で来年度に携帯料金を2割から4割程度引き下げ、顧客への還元を年間最大4,000億円規模で行うと発表したことで各社の業績悪化が懸念されました。携帯事業への参入を発表している楽天(4755)も一時は8%安近くまで下落しましたが、KDDIと通信設備や決済分野で業務提携を行うと報じられたことを受け急騰し終値では3%高となりました。一方で決算が好調で業績予想を上方修正した村田製作所(6981)が10%近く上げたほか、ソニー(6758)や任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)も堅調でした。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は反落しました。昨日までの2日間で800円近く上昇していたことから一定の売り圧力が出てくることはやむを得ないと言えますが、通信各社の大幅安は投資家のセンチメント悪化に繋がる可能性があり短期的な需給への影響も大きいとみられることからやや気がかりです。本日の米国市場ではISM製造業景況指数やアップル(AAPL)の決算発表が予定されており注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)