東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は822円安の2万1268円と大幅に下落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総崩れとなりました。中でもマザーズ指数は6%超の大幅安となっています。昨日の米国市場でダウ平均が600ドルを超す下落となったことを受け、日経平均は414円安の2万1676円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると10時過ぎに809円安まで下落しました。その後やや持ち直し前場を618円安で終えた日経平均は後場に入ると再び下げ幅を広げる展開となり、ほとんど反発できず引けにかけても軟調に推移すると一時は886円安まで下落しました。日経平均は引けにかけてわずかに持ち直し結局822円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9813億円となりました。東証33業種は全業種が下落し、中でもサービス業、ガラス土石製品、その他製品の3業種が4%以上の下げとなりました。なお、東証1部の値上がり銘柄数はわずか34と全面安の商状でした。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は総じて下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)、2位の任天堂(7974)、3位のファーストリテイリング(9983)、4位のソニー(6758)が揃って4%~5%台の大きな下げとなりました。その他にもトヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、ファナック(6954)がいずれも下落しました。材料が出たところでは、米国の電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)が黒字転換したことを受け、電気自動車用の電池を納入しているパナソニック(6752)が0.5%高となりました。また、経営陣による買収(MBO)を検討していると報じられた結婚式サービスを展開するワタベウェディング(4696)が一時ストップ高となり、終値でも14%近く上昇しました。一方で7-9月の営業利益が35億円強の赤字だったLINE(3938)は9%超の大幅安となり、年初来安値を更新しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は米国株が大幅安となったことを受け、大幅に下落しました。米金利の上昇やそれに伴う米住宅市場の鈍化、貿易戦争の実体経済への悪影響、サウジアラビアのジャーナリスト殺害事件の影響による中東情勢の悪化懸念、英国のEU離脱問題、EUとイタリアの予算案を巡る対立などリスク要因を上げればキリがなく、弱気に振れたマーケットはとにかく不安材料への懸念を強めているようです。2万2000円の節目をあっさりと割り込んでしまい、こうなると3月につけた2万700円どころの安値が意識される展開となりそうです。足元は業績が好調な銘柄も見境なく売られている状況で、好業績の売られすぎ銘柄を少しずつ拾うイメージで臨みたいところです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)