【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25191.43  ▼125.98 (10/23)
NASDAQ: 7437.54  ▼31.09 (10/23)

1.概況

米国市場は中国株安に加え、キャタピラー(CAT)やスリーエム(MMM)の決算が嫌気され下落しました。ダウ平均は278ドル安と大きく下げて始まるとまもなくして550ドル安近くまで売られました。その後午後に入って大きく下げ幅を縮める展開となり一時は前日終値近辺まで持ち直す場面もありましたが、上値は重く戻し切れないと引けにかけて再び下げ幅を広げ結局ダウ平均は125ドル安の25,191ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント安の7,437ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーが2%以上下落したほか、資本財・サービスと素材も1%を超える下げとなっています。一方で不動産と生活必需品、通信サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

キャタピラーが7%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算は市場予想を上回る増収増益だったものの、上方修正への期待が強いなかで鉄鋼への追加関税が原材料費を押し上げているとして通期の1株利益予想を据え置いたことが嫌気されました。また、スリーエムも決算が市場予想を下回ったことに加え、通期の1株利益の見通しを下方修正したことで4%を超える下落となりました。シェブロン(CVX)も原油価格の下落を受けて3%以上下げ、キャタピラーとスリーエム、シェブロンの3銘柄でダウ平均を150ドル押し下げています。一方で決算で既存店売上高が市場予想を上回ったマクドナルド(MCD)が6%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も4%余り上げたほか、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も決算が市場予想を上回ったことや通期の1株利益の見通しを引き上げたことで3%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い3.16%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に日経平均が600円余りも下げた後ということもあって自律反発の動きから上昇してのスタートが予想されます。買い材料に乏しいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうですが、本日も中国市場の動向には神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)