東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は3連休中に米国市場が下げたことや昨日の中国市場が大幅安となったこと、さらに一時113円を割り込んで進んだ円高など悪材料が重なったことから大幅続落となりました。日経平均は233円安の23,550円で寄り付くと下げ幅を広げ10時50分過ぎに340円安の23,442円まで下落しました。その後前引けにかけて196円安まで持ち直す場面もみられましたが、後場に入って下げ幅をやや広げるとしばらくは23,500円を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。引けにかけてさらに下げ幅を広げ取引終了の5分前に前場の安値をわずかに下回って341円安と本日の安値を付けた日経平均は結局314円安の23,469円と4日続落となり節目の23,500円を割り込んで取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が続落となり、東証マザーズ指数は2%を超える下落となりました。
2.個別銘柄等
米長期金利の上昇を受けて米国市場でバリュエーション面に割高感のあるハイテク株への売りが続き、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が連日で大幅な下げとなるなか日本市場でも半導体関連株に大きく下落するものが目立ちました。SUMCO(3436)が9.0%安と大きく下げたほか、東京エレクトロン(8035)が4.5%安、SCREENホールディングス(7735)が5.6%安、アドバンテスト(6857)が4.4%安となり、SUMCOと東京エレクトロン、SCREENホールディングスは揃って年初来安値を付けています。
また、円高となったことで自動車株も安くトヨタ(7203)とホンダ(7267)が3%以上下げたうえ、SUBARU(7270)も2%以上下落しています。
小売り企業の決算発表が本格化するなか先週末の取引終了後に決算を発表したオンワードホールディングス(8016)も大きく下げました。通期の業績予想を下方修正したことで6.0%安となっています。鳥貴族(3193)も7.9%安と大きく下げています。9月の既存店売上高が前年同月比13.1%減となり、値上げの影響から9ヶ月連続で既存店割れが続いていることが嫌気されました。
一方で先週末の引け後に決算を発表した壱番屋(7630)が6.8%高となりました。6ヶ月間累計の上期の営業利益は前年同期比で減益となりましたが、第2四半期3ヶ月間でみると増益に転じたことが好感されました。さらにイオンモール(8905)も4.1%高と大きく上げました。3-8月期の営業利益が245億円強と前年同期比で1割増となり2年連続で最高益となったとの観測報道が好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は2日に年初来高値を付けた後4日続落となり、本日は節目の23,500円を割り込みました。これは短期急騰のあとの当然の調整ともいえますが、本日は9月18日から19日にかけて空けた窓の下限(23,481円)を下回る水準まで下落したことから明日にしっかりとした反発をみせれば短期的な過熱感も解消に向かっていることもあって調整一巡への期待も出てきそうです。しかし、明日も下げ止まらないと25日移動平均線(23,343円)を維持できるかが試されることにもなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)