日経平均は2月の急落時に空けた窓をほぼ埋めかかっている。2万3000円の壁を上抜けたことで、ここから先は上値抵抗がない。次は2万3500円の節目を試し、その後2万4000円台の年初来高値更新を目指していくだろう。ただ、その前に、今週は2万3000円の節目をしっかりキープすることが肝要だ。
日経平均は上放れの兆しがでてきたがTOPIXは依然として上値切り下げトレンドを崩していない。このタイミングで一目均衡表の雲を上に抜けることができれば、TOPIXも戻り歩調が強まり、日本株相場全体の地合いが一段と改善するだろう。
今週は18、19日に日銀の金融政策決定会合がある。フォワードガイダンスを強調するだろう。「ただ」でできる緩和策だから(実際に資産買い入れが要らない)。それによって為替は若干円安気味に動くだろう。米国市場では長期金利が再び3%をつけた。金利上昇とドル高のトレンドが鮮明になっている。
20日の自民党総裁選で安倍首相が三選を決めれば外国人を中心とした買いが入るだろう。既定路線でサプライズはないが、それでも相場にはポジティブ。「Sell On Fact」にはならない。なぜなら「Buy On Rumor」がなかったから。安倍首相が三選されることを当て込んで買ってきたなら材料出尽くしになるが、買ってこなかったのだから売りにはならない。
今週の日経平均は、円安基調と安倍首相三選で堅調推移をメインシナリオとする。
総裁選の翌日21日の日米閣僚級貿易協議(FFR)が警戒されるかもしれないが、前回同様、肩すかしになる可能性のほうが高いと考える。7日付けのストラテジーレポートで述べたことを再掲する。
みんな忘れているが1回目はどうだったか。それを報じた日経新聞の見出しは「日米貿易協議、全面対立は回避」であった。市場が懸念したような強硬的な会合にならなかった。以下、日経新聞から引用。<茂木氏はその後の記者会見で「日米は信頼関係に基づき協議を続けていく」と述べた。政府関係者は「この文言を入れた意味は米も分かっている。協議中は自動車関税上げなど信頼に背くことはしないということだ」と解説する。協議前には米国から「FTA交渉入りを拒否するなら自動車関税を引き上げる」と突きつけられる最悪の事態まで想定していた。ところが、自動車関税について日本政府からは「前進した」との声も漏れた。
カナダやEUとの通商交渉も進展が見られる。日米首脳会談(25日あるいは26日)で大枠合意となるだろう。
しかし、市場には弱気筋が多いので、FFR警戒で様子見、安倍首相三選も織り込み済みで無反応、3連休と連休明けの日米首脳会談(25日あるいは26日)を控えて売り買い交錯する展開をサブ・シナリオとする。その場合は2万3000円を挟んで一進一退、もみ合いとなるだろう。
今週の予想レンジは2万2800円~2万3300円としたい。