表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。
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PORTFOLIO OVERVIEW(2 Oct 2017)
今週のFX-1ポートフォリオは最小限の変更にとどまった。ドルのネット・ポジションは相当大きなショートのままである。米国の成長率は他の国に見劣りがし、われわれの尺度ではドルは割高である。今週はショートからロングへ、またはその反対などサイドの変更はひとつもなかった。
ロング側では欧州通貨が比較的大幅なロングである、今週、唯一大きな変化と言えるのは円のロング・ポジションの約半分をユーロにシフトしたことだ。ユーロは今や英ポンドと並んで最大のロング通貨である。明らかに欧州の政治イベントがユーロの弱みになっているがそれらのイベントは政策変更にまでつながるものではないし、ユーロへのインパクトもそう長くは続かないだろう。
ショート側では変更はほとんどなかった。
FX-1ポートフォリオはドルのネット・ポジションをショートにしているが、ここ1、2週間のマーケットは逆に動いた。背景は9月のFOMCが想定以上にタカ派的であったことだ。イエレン議長はある意味、賭けに出たように思われるが、われわれの成長性とインフレのファクターはしっかりしているので、FEDはよりタカ派的になるより、ただ時間の流れにまかせるままにしているほうが良いだろう。
付け加えると、米国金利は上昇しているが、他の国の金利も上昇している。時間とともに良好なグローバル経済が他の国の金利をさらに上昇させ、それはドルの弱気材料となるだろう。
トランプ政権の減税策の発表で財政刺激期待が台頭している。これはわれわれのドルの弱気見通しにとってチャレンジになる。長期トレンドを超えるような成長ペースで財政刺激策がとられれば、著しくインフレと金利見通しを上昇させる。税制改革案が成立し、かつそれが大きなものとなれば、ドルを押し上げる材料となろう。
DeepMacro
DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明
概要
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。
キーファクター:
成長要因:
強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。
キャリー:
高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。
バリュエーション:
割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。
グローバル・リスク:
投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。
ポジション調整:
モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。