1.概況
本日の日本市場はトルコリラ急落による米国株安と円高に中国株安なども加わり大幅下落となりました。180円安の22,117円で寄り付いた日経平均は10時半ごろに節目の22,000円を割り込むとさらに下げ幅を広げ13時半過ぎに446円安の21,851円まで売られました。その後100円以上下げ幅を縮める場面もあった日経平均ですが上値は重く結局440円安の21,857円と4日続落となり安値圏で取引を終えています。こうしたなか新興市場も大きく下げ、東証マザーズ指数は4%を超す下落となり年初来安値を付けています。

2.個別銘柄等
先週末が決算発表のピークとなるなか先週末の引け後に発表した決算に株価が大きく反応する銘柄がみられました。第1四半期の営業利益が2割を超す大幅増益となったリクルートホールディングス(6098)や人材派遣大手のパーソルホールディングス(2181)に加え、佐川急便を子会社に持つSGホールディングス(9143)も通期の業績予想を上方修正したことで大幅高となりました。リクルートホールディングスが5.9%高、パーソルホールディングスが5.3%高、SGホールディングスが4.8%高となっています。また、第1四半期の経常利益が減益ながら市場予想を大きく上回った日本郵政(6178)も2.4%高となったほか、ドンキホーテホールディングス(7532)は2018年6月期の営業利益が12%近い増益となったことで5.6%高となっています。一方で上期(4-9月期)の業績予想を下方修正した三井金属鉱業(5706)が一時ストップ安となるなど急落し14.1%安となっています。東京精密(7729)も通期の利益予想を下方修正したことで15.6%安と急落しました。上期(1-6月期)の減益決算が嫌気され先週末に6%を超す下げとなったマブチモーター(6592)は国内大手証券による目標株価の引き下げを受けて本日も4.4%安と大きく下げました。さらに決算で赤字が拡大したことで先週末に11%近い下げとなったメルカリ(4385)も売りが止まらず7.3%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
先週末に300円安となった日経平均は25・75・200日の移動平均線を次々と割り込んだものの、一目均衡表の雲の上限(22,256円)がサポートとなりました。しかし、日経平均が本日も400円を超える下げとなったことで雲の上限だけでなく下限(22,076円)も下回ってしまいました。さらに節目の22,000円もあっさりと割り込み下値模索となっていますが、7月の調整局面では一目均衡表の雲の下限を割り込んだところで一旦底入れとなっただけに今回も同様の展開に期待したいところです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)