1.概況
本日の日経平均は113円高の2万2510円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は高安まちまちでしたがドル円がやや円安に戻したことが好感されて、日経平均は158円高の2万2555円で寄り付きました。ただ日経平均は寄り付きが1日の高値になるとその後は伸び悩む展開でした。前場の日経平均はほぼ一本調子で上げ幅を縮めると10時過ぎに19円高と1日の安値をつけました。しかしそこから急速に上げ幅を広げた日経平均は137円高と寄り付きと同水準で前場を終えました。日経平均は後場に入ると狭い値幅でのもみ合いの格好となり大きな値動きの出ないまま113円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆392億円と2兆円をかろうじて上回りました。東証33業種は鉄鋼や機械、非鉄金属、不動産業など28業種が上昇しました。一方で食料品、医薬品、空運業、サービス業、陸運業の5業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。ソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)がいずれも上昇しました。一方でファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、東海カーボン(5301)は下落しました。昨日中国政府が財政政策を積極化させる方針を示したことが刺激となり、中国関連銘柄の一角が大きく上昇しました。小松製作所(6301)が5.4%高となったほか、日立建機(6305)は6%を上回る上昇となりました。その他材料が出たところでは、第1四半期の売上高が前年同期比24%増、営業利益が133%増と好調だったゲームソフトのコーエーテクモホールディングス(3635)が11%超の大幅高となりました。一方で第1四半期の営業利益が前年同期比3%減と低調だった電子部品メーカーのKOA(6999)は10%近い大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は昨日大きく売られたなかでドル円がやや円安に戻したことが好感され反発しました。決算発表の本格化や来週の日銀の金融政策決定会合を前にマーケットは様子見ムードで取引ボリュームはやや低迷しています。それらの材料通過を前に日経平均が2万2500円近辺で底堅く推移できるか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)