1.概況
本日の日経平均は62円安の2万2215円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、東証2部指数と新興市場のマザーズはいずれもほぼ横ばいでした。昨日の米国市場はダウ平均が400ドル以上下落するなど主要指数が大きく下落したことを受け、日経平均は159円安の2万2118円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に下げ幅を縮めましたが、10時半過ぎから再び下げ幅を広げて一時は200円安近くまで下落しました。前場を143円安で終えた日経平均は後場に入ると再び下げ幅を縮めました。一時は49円安をつける場面もあった日経平均は、結局62円安と反落したものの1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4679億円となりました。東証33業種は電気・ガス業、ゴム製品、食料品、建設業などの18業種が上昇しました。一方で機械や鉱業、石油石炭製品など15業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)も小幅に上げました。一方で売買代金2位の武田薬品(4502)が7%安となったほか、マネックスグループ(8698)、ソニー(6758)、日本電産(6594)などが下落しました。武田薬品はアイルランドの製薬大手シャイアーの買収交渉で買収金額が約7兆円で合意したと報じられたことから、財務負担を嫌気した売りがかさみました。また、昨日決算発表を行った日本電産はプラス圏で推移する時間帯もありましたが終値では2%近く下落しました。その他材料が出たところでは、空調機器メーカーの富士通ゼネラル(6755)が6.2%の大幅安となりました。前期決算が23.7%の営業減益で着地したほか、今期予想も前期比15.9%の営業減益予想と発表したことが嫌気されました。また、前期決算の着地予想を売上・利益とも下方修正した電子機器メーカーのカシオ計算機(6952)が8%近い大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅に反落しましたが、ダウ平均が400ドル以上下落したことを考えると底堅かったと評価できるでしょう。一時はやや円高に振れたドル円が再び109円台で推移していることも好材料と言えそうです。マーケットは一時の混乱からは脱したと言えそうですが、本格化しつつある日本企業の決算発表内容次第で今後の方向性が決まってきそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)