1.概況
本日の日経平均は195円安の2万1480円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。先週末の米国市場で主要指数は上昇しましたが、ドル円が105円台の円高水準で推移したことを受け日経平均は138円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めると9時9分に17円安まで値を戻しましたが、そこから急速に下げ幅を広げると10時17分には309円安と1日の安値をつけ1時間あまりの間に下げ幅を290円以上広げました。その後はやや値を戻し日経平均は前場を193円安で終えました。日経平均は後場に入ると前場終値近辺の狭い値幅でもみ合いとなり結局195円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1678億円と今年に入って最も少なくなりました。東証33業種は鉱業のみ上昇し残る32業種は下落しました。中でもパルプ・紙が2%を超える下げとなったほか、精密機器、証券商品先物、非鉄金属、卸売業などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.4%安となったほか、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)がいずれも下落しました。中でもソニーは特段の悪材料は見当たらないものの4%を超える大きな下げとなりました。一方でソフトバンクグループ(9984)とファナック(6954)はそれぞれ小幅に上昇しました。材料が出たところでは、注文住宅を手掛ける桧家ホールディングス(1413)が6%を超える大幅高で上場来高値を更新しました。東証1部への指定替えを発表したことが好感されました。また、アステラス製薬(4503)が4%弱の大幅上昇となりました。大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は続落しました。引き続き円高が進行していることに加えて世論調査の内閣支持率の急落も市場心理を悪化させたとみられます。今週は20日から21日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の注目材料です。利上げの実施は織り込み済みとみられますが、FOMC後に示される今後の利上げ見通しが12月のFOMCからどう変化するのか注目されます。またその発表を受けて米長期金利やドル円がどのように反応するかどうかに日本株の動向は左右されそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)