1.概況
本日の日経平均は387円高の2万3486円と7日ぶりに大きく反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数と主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇し、ドル円が109円台まで円安に戻したことを受け、日経平均は177円高の2万3276円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に110円余りまで上げ幅を縮める場面がありましたが再び上げ幅を広げるとその後は1日を通して堅調に推移しました。前場を295円高で終えた日経平均は後場に入っても高値圏での推移が続き、引けにかけてさらに騰勢を強めて1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆5134億円となりました。東証33業種は海運業を除く32業種が上昇しました。中でも銀行業は4%近い大幅上昇となっています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、三菱UFJ(8306)と三井住友(8316)は揃って4%台の大幅上昇となりました。その他にもトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、みずほ(8411)、富士フイルム(4901)などがそれぞれ上昇しました。中でも米ゼロックス(XRX)の買収を発表した富士フイルムは昨日大幅安となっていたこともあり本日は12%超の大幅高となりました。その他材料が出たところでは、医療機器輸入商社の日本ライフライン(7575)は発表した第3四半期決算が堅調で今期の業績予想を上方修正したことが好感され14%超の大幅高となりました。また、10-12月の売上高が前年同期比27.5%増、営業利益が11.7%増と好調でプライベートブランドの販売を始めたスタートトゥデイ(3092)も9.5%高と大きく上昇しました。一方で10-12月の売上高が前年同期比10%減、営業利益が71%減と冴えなかった富士通(6702)は13%近い大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日まで6日続落し、6日間で1,000円以上下げていた日経平均は久しぶりに気持ちの良い大幅高となりました。ドル円がやや円安に戻したことで業績不安が和らいだことがマーケットのセンチメントを好転させたようです。本日の米国市場では1月のISM製造業景況指数が発表されます。ドル円動向に影響を与えることもある重要指標であるため発表結果が注目されます。また、本日の大引け後には武田薬品工業(4502)、キーエンス(6861)、野村ホールディングス(8604)、ANAホールディングス(9202)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)