NYダウ: 23329.46  ▼112.30 (10/25)
NASDAQ: 6563.89  ▼34.54 (10/25)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はボーイング(BA)の下落などが重石となるなか利益確定の売りで反落しました。小幅に下げて始まったダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、10ドル高近くで上値が押さえられると大きく下げ幅を広げる展開となり昼過ぎには190ドル安まで売られました。その後持ち直したダウ平均ですが結局112ドル安の23,329ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント安の6,563ポイントとなっています。

2.経済指標等
9月の米耐久財受注額は前月比2.2%増となり市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も前月比1.3%増となり市場予想を上回りました。9月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比18.9%増の66万7千戸となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも電気通信サービスが2%を超える下落となったほか、資本財・サービスも1%安となっています。

4.個別銘柄動向
決算は市場予想を上回ったものの2017年12月期通期の業績見通しが市場予想に届かなかったことでボーイングが3%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり1銘柄でダウ平均を50ドル以上押し下げました。決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったAT&T(T)も4%近く下げています。また、10-12月期の業績見通しが慎重と受け止められた半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や、決算が市場予想を下回ったファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が急落しています。一方、説明会で示した向こう5年の業績見通しが好感されたナイキ(NKE)が3%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。決算が増収増益となり1株利益が市場予想を上回った医療保険大手のアンセム(ANTM)も5%を上回る上昇となりました。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.43%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は下落したものの昨日に日経平均が100円近い下げとなっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。買い材料に乏しいなか上値の重い展開が予想されますが、下落する場面では利益確定の売りが出やすいなかで底堅さがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)