1.概況
本日の日経平均は1円高の2万628円と小幅ながら4日続伸となり連日で年初来高値を更新しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数、東証2部指数などその他の主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って上昇したことを受け、日経平均は24円高の2万650円と続伸して寄り付きました。ただ、日経平均が連日年初来高値を更新し利益確定売りが出やすいなか本日の日経平均は伸び悩みました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を40円高まで広げましたが、その後は急速に上げ幅を縮めてマイナスに転じました。下げ幅を20円あまりまで広げましたが下値模索とはならず切り返すと6円高で小幅なプラスで前引けをむかえました。日経平均は後場に入ると昨日の終値を挟んだもみ合いとなり、大きな方向感の出ないまま結局1円高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆9940億円と2兆円をわずかに下回りました。東証33業種は2.5%高となった水産・農林業や1%を超える上昇となった食料品など11業種が上昇しました。一方で保険業や陸運業など22業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.2%高となったほか、トヨタ自動車(7203)、石川製作所(6208)、アサヒ(2502)がそれぞれ上昇しました。アサヒは2018年3月からビール系飲料を値上げすると発表し、今後の収益改善が期待されて5.6%高と大きく上昇しました。一方で昨日大幅高となったジャパンディスプレイ(6740)が8%近い大幅安となり、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、日産自動車(7201)などがそれぞれ下落しました。材料が出たところでは、イオン(8267)が2.1%高としっかりでした。中間決算で営業利益が前年同期比17.5%増と堅調だったほか、通期の業績予想を上方修正したことが好感されました。また、同じく中間決算が好調で通期の業績予想を上方修正したドラッグストアのウエルシアホールディングス(3141)も2.3%高としっかりでした。また、国内証券が新規に「買い」の判断で格付けしたぐるなび(2440)とカカクコム(2371)がそれぞれ大きく上昇しました。ぐるなびは7.4%高、カカクコムは3.2%高となっています。一方で中間期の業績予想を下方修正したマザーズ上場で自動翻訳サービスを手がけるロゼッタ(6182)は10%近い大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は年初来高値を更新しましたが、東証1部の上昇銘柄数597に対し下落銘柄数は1,341と日本市場は実質的にはやや調整色のある1日となりました。引き続き過熱感への警戒から利益確定売りが出やすいなかで、今週末に日本市場は3連休を控えているということもあり積極的な買いは控えられたようです。明日も同様の環境にあるなかで引き続き上値を追いづらい状況にありますが、大きな調整なく週末を迎えられるかどうかが来週以降の相場展開に大きく影響するとみられ、明日は重要な1日となりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)