1.概況
本日の日経平均は186円安の2万33円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が170ドル近く下落したほか、ナスダック総合指数がダウ平均を大きく上回る下落率となったことを受け日経平均は194円安の2万25円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げるとまもなく2万円の節目を割り込み、一時は下げ幅を270円超まで広げました。その後やや持ち直し前場を219円安で終えた日経平均は後場に入ると安値圏の狭い値幅での推移となりました。引けにかけてやや持ち直した日経平均は2万円の節目を保ち本日の高値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆6024億円となりました。東証33業種は鉱業、鉄鋼、保険業の3業種のみが上昇し残る30業種は下落しました。中でもその他製品や水産・農林業、食料品などが大きく下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が3%近く下げたほか、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、ソニー(6758)がいずれも下げています。メガバンク3行は三菱UFJ(8306)とみずほ(8411)が小幅な下げにとどまり、三井住友(8316)は小幅に上昇と相対的に銀行株がしっかりでした。その他材料が出たところでは、ドラッグストアのクスリのアオキ(3549)が8%の大幅高となりました。昨日発表した通期の営業利益が従来予想を大きく上振れて着地し、今期予想も増収増益としたことが好感されました。また、住友化学(4005)が3%高としっかりでした。本日の日経新聞朝刊で大型有機ELパネルの製造コストを大幅に下げる技術を開発したと報じられたことが材料となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は米国株安を受け反落しましたが、2万円の節目を保つなど一定の底堅さを見せました。6月を振り返ってみると、日経平均は月間で382円高となり月間ベースで3ヶ月連続の値上がりとなりました。6月2日に終値で2万円を回復した日経平均はその後大きく上値を伸ばすことはできなかったものの、2万円を割り込んだところでは買いが入り2万円近辺でのもみ合いとなりました。来週以降はISM景況感指数や雇用統計といった米経済指標が注目されるほか、中旬までに出揃う小売関連企業の決算発表、下旬からスタートする3月決算企業の決算発表と企業の第1四半期の決算発表が注目材料となりそうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)