1.概況
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて3日続伸となり、日経平均は年初来高値を更新しました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことに加え、ドル円も111円台後半と円安になっていたこともあって、日経平均は166円高の20,234円と6月2日に付けた年初来高値(20,177円)を上回って寄り付くと、2日のザラ場高値(20,239円)も抜いて上げ幅を広げ取引開始10分後には20,300円台を付けました。その後20,300円を挟んで高値圏で小幅に揉み合う展開が続いた日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの、結局162円高の20,230円と年初来高値を更新して取引を終えています。こうしたなか昨日に2兆円を割り込んだ東証1部の売買代金は2兆5192億円と2兆円台を回復しています。また、新興市場はまちまちで、昨日に2%を超える上昇をみせ年初来高値を付けた東証マザーズ指数が6日ぶりに小幅反落となった一方で、日経ジャスダック平均は3日続伸となり、前日に続いて年初来高値を付けています。
2.個別銘柄等
日経平均が年初来高値を更新するなか主力銘柄にも高値を付けるものがみられました。売買代金2位の任天堂(7974)を初め、投資判断や目標株価の引き上げがあった大林組(1802)、清水建設(1803)、鹿島(1812)などの大手ゼネコン、さらに資生堂(4911)やパナソニック(6752)、ヤマハ(7951)、NTT(9432)なども年初来高値を付けています。急伸したのがシャープ(6753)や田淵電機(6624)、アスクル(2678)などで、シャープは午前に開催した定時株主総会で月内にも東証1部への市場変更を申請する考えを示したことが好感され7.7%高となりました。また、田淵電機はニンテンドースイッチが好調で部品を供給する関西の電子部品メーカー各社の業績に追い風が吹いているとの報道を受けてストップ高となり、東証1部で上昇率トップとなっています。アスクルは未定としていた2017年5月期の配当を前期比3円増の36円にすると発表したことで買いを集め8.8%高となりました。一方で大きく下げたのが長谷工コーポレーション(1808)で株価が高値圏にあるなか投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時は5%以上下げる場面がありました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
およそ半月ぶりに年初来高値を更新した日経平均ですが、今月2日に一年半ぶりに20,000円の大台を回復した後は20,000円を超えると押し戻される展開となっています。それだけに今回も大台をこのまま維持できるかがポイントとなりそうですが、20,000円台で下値を固められれば2015年6月に付けた高値(20,868円)を目指す展開も期待できそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)