1.概況
本日の日経平均は125円安の1万8426円と続落し昨日に続いて年初来安値を更新しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は3日ぶりに反発しました。昨日の米国市場で主要指数が下落するとともに、足元の地政学リスクの高まりやトランプ米大統領の「ドルは高すぎる」との発言が嫌気されドル円が108円台まで円高に振れたことを受け、日経平均は160円安の1万8391円と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると10時過ぎに下げ幅を250円近くまで広げました。その後やや持ち直し、前場を212円安で終えた日経平均は後場に入っても前引け水準での推移が続きましたが、14時過ぎから急速に下げ幅を縮めました。下げ幅が100円を切る場面もあった日経平均は、3日続落し年初来安値更新となったものの1日の中では高値圏での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆2590億円と昨日に続いて2兆円を上回りました。東証33業種は電気・ガス業、水産・農林業、パルプ・紙の3業種のみ上昇し残る30業種が下落しました。中でも石油石炭製品、鉄鋼、鉱業の3業種は2%を超えるきつい下げとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、東芝(6502)、三菱UFJ(8306)、任天堂(7974)などがいずれも下落しました。また、防衛関連として足元で大幅高となっていた一部の銘柄にも売りが殺到しました。石川製作所(6208)や豊和工業(6203)が一時ストップ安となりました。材料が出たところでは、ファミリーレストランのサイゼリヤ(7581)が7%超の大幅高で年初来高値を更新しました。昨日発表した中間決算で営業利益が前年同期比44%超の大幅増となったほか、通期の業績予想を上方修正したことも好感されました。また、コメダ珈琲店を全国展開するコメダホールディングス(3543)は議決権行使を行った株主に対し議案の賛否に関わらず株主優待向けプリペイドカードに500円分のチャージを行うと発表したことなどが好感され5%超上昇しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
続落して連日の年初来安値更新となった日経平均ですが、引けにかけて下げ幅を縮める展開となりました。東証1部の騰落レシオは74%と一般的に売られ過ぎとされる水準まで低下していますが、地政学リスクの上昇や円高進行による企業業績の悪化懸念などが高まりやすい現在の環境ではなかなか本格的な買いが入りづらいとみられます。現金比率を高めつつ、好業績にも関わらず市場全体に引っ張られて売られ過ぎている銘柄を探し、複数回に分けて買い下がっていくような方法が有効な局面かもしれません。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)