1.概況
本日の日経平均は材料難のなか小幅に続落となりました。昨日の米国市場も小幅に下げるなど買い材料に乏しいこともあって41円安の19,337円で寄り付いた日経平均は10時半前に4円安まで下げ幅を縮めましたが、昨日終値を前に上値が押さえられるとその後も小安く推移しました。一日を通して方向感に欠ける展開となった日経平均は39円安の19,344円と3日続落で取引を終えています。日経平均の一日の値幅が57円と今年最小となるなか東証1部の売買代金は1兆9866億円と昨日に続いて2兆円割れとなりました。新興市場では東証マザーズ指数が12日ぶりの反落となったものの、日経ジャスダック平均は小幅に18日続伸となり連日で昨年来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
引けは0.5%高と小幅な上昇に止まったものの、ヤマトホールディングス(9064)が一時4.1%高まで買われる場面がありました。昨日はサービス残業の実態を調べ、未払い分を支給する方針を固めたと伝わり売られましたが、本日は9月末までに宅配便の基本運賃を引き上げる方針を固め、アマゾンジャパンなど大口顧客と交渉に入ったとの報道を受けて買われました。物流業界全体で値上げが進みやすくなるとの見方から他の陸運株にも買いが入り日本通運(9062)が2.6%高、セイノーホールディングス(9076)が2.9%高、福山通運(9075)が2.8%高となっています。一方で楽天(4755)はネット通販の配送料値上げが懸念されたのか1.4%安と下げています。任天堂(7974)は本日も商いを集め売買代金で前日に続いてトップとなり1.9%高となりました。新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売日から3日続伸となりこの3日間で7.9%上昇しています。大きく下げたのがオンラインゲームのネクソン(3659)で中国当局が韓国製のモバイルゲームの新規認可審査を中断したもようだと伝わったことで3.5%安と売られました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は材料難から小動きでした。今週末は3ヵ月に一度のメジャーSQでSQ週の水曜日は相場が荒れやすいともいわれますが、明日は8時50分に発表される日本のGDP改定値などを材料に相場に動きがみられるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)