日本株は厳しい展開に

日本株は厳しい展開が続いています。2月14日に日経平均は終値で2万1154円まで下落しました。その後急反発し、27日には2万2389円と1,200円以上の戻りを見せました。しかし28日から3月2日まで3日続落で1,200円ほど下げ本日5日も139円安の2万1042円と14日の終値を割り込んでしまいました。

この下落はやはり円高進行が大きな要因となっていると考えています。米ドル円は105円台まで円高に振れており、現在の企業の想定為替レート(約110円)を大きく下回っています。こうなると今期は好調でも来期の日本企業の業績がもしかすると減益になるかもしれないとの不安が、日本株を積極的に買いづらくさせているのでしょう。ドル円の本格的な反発が確認されるまでは日本株が再び上昇していくのは難しそうです。こうした前提を元に、本日の銘柄フォーカスでは下落局面で相対的に期待できそうな銘柄を探してみました。

株価下落局面で効きやすいファクターは?

「ファクターリターン分析」をご存じでしょうか?あまり馴染みのない方が多いかもしれません。ファクターリターン分析とは簡単に言うと、「どのような要因で株価が変動しているのかを定量的に説明しようとするもの」です。例えば「過去一定期間の株価リターン」「ドル円レート感応度」「配当利回り」「自己資本比率」「自己資本利益率(ROE)」「レーティング」「外国人持株比率」などのファクターが分析に用いられます。

ファクターリターン分析は、一定期間の銘柄群の値動きを分析し上記で挙げたような要因(ファクター)のなかでどの要因が銘柄間のリターン格差につながっているかを分析します。この手法を使えば、「ROEが高い銘柄」と「外国人持株比率が高い銘柄」のどちらが市場平均に対して上昇しやすかったかを比較することができます。あくまでも市場平均に対する上昇のしやすさを分析するもので、ファクターリターンがプラスだからといって、絶対リターンがプラスとは限らないことに注意が必要です。

それではいわゆる「アベノミクス・マーケット」が始まって以降日経平均が下落した月のファクターリターンを見ていきましょう。表1は2013年1月から2018年2月までの62ヶ月の間に日経平均の月次騰落率がマイナスだった25ヶ月について主要項目のファクターリターンを示したものです。色が黄色くなっている箇所がファクターリターンがプラスだった、つまりそのファクターが市場平均よりも高いリターンを得るために良く効いたということを示しています。

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表をご覧いただくと、日経平均が下落した局面で特に効いているのが「自己資本比率」であることがわかります。日経平均が下落した25ヶ月中20ヶ月でファクターリターンがプラスに効いています。1つの仮説にはなりますが、日経平均が下落するような市場が不安になっている局面では安心感を求めて自己資本比率が高い=財務安全性が高い銘柄に資金が集まりやすいということが言えるかもしれません。もちろん今月も日経平均が下落するのか、自己資本比率がファクターとして効くのかどうかはわかりませんが、1つのオプションとして検討の余地はありそうです。そこで今回の銘柄フォーカスでは、自己資本比率が高く業績も好調な銘柄をピックアップしました。

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リストに出てきたのは、アリアケジャパン(2815)、ネクソン(3659)、信越化学工業(4063)、日本精化(4362)、オービック(4684)、ジャストシステム(4686)、アルファシステムズ(4719)、ファンケル(4921)、日本高純度化学(4973)、MARUWA(5344)、タツタ電線(5809)、パイオラックス(5988)、Gunosy(6047)、富士機械製造(6134)、日進工具(6157)、日阪製作所(6247)、SMC(6273)、マキタ(6586)、キーエンス(6861)、コーセル(6905)、イリソ電子工業(6908)、ローム(6963)、任天堂(7974)、日本BS放送(9414)、NSD(9759)、ステップ(9795)、杉本商事(9932)の27銘柄です。

今回もかなり銘柄が多くなったので、上記から5銘柄をピックアップしてビジネスの内容や業績推移についてマネックス銘柄スカウターを活用してご紹介します。ご参考になれば幸いです。

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