みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓について解説したいと思います。

前回は以下のようなことを指摘しました。

1.「連休の谷間の5月1日に22,502円05銭を上回り、上昇トレンド入りが確認されたこと」

また、

2.「上昇トレンド入りしたと考えられることに加え、窓を埋める可能性が高まっていると考えられそう」

ともしましたが、一方で

3.「75日移動平均線が下向きになっており、戻り売り圧力が強いと考えられることに加え、買い上がるエネルギーも乏しいのではないか」

ということも指摘しましたが、結果はどうだったのでしょうか。

早速チャートを見て確認したいと思います。

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まず、2月27日の高値を上回ったことから上昇トレンド入りが示唆されていると同時に近い方の窓を埋める可能性が高まっているとした点についてですが、チャートを見ると分かるように、株価は上昇を続け1月23日の高値から3月26日の安値までの値幅の61.8%戻しに当たる水準まで戻したことに加え、これまで埋められなかった2月5日と6日の間にあけた窓を埋める結果となりました。

このように上昇トレンド入りが確認されたことで、膠着状態が続いて伸び悩んでいるように見えても、しっかり日経平均株価は水準を切り上げ窓を埋める結果となりました。

ただ、2月2日と5日の間にあけた窓には届いておらず、接近した2つの窓ではありますが、これらの窓を一気に埋める状況にはなっていません。

そこで注意しておきたいのが、75日移動平均線の向きと売買高です。これもチャートを見ると分かりますが、売買高は目立って増えていないことに加え、75日移動平均線の向きも下向きのままで推移しています。

こうした状況から、株価が戻ることによって徐々に大きくなると考えられる戻り売り圧力を吸収することができないようですと、2月2日と5日の間にあけた窓を埋めるにはまだ少し時間が掛かると考えた方が良いかもしれません。

そうなりますと、いわゆる日柄調整が必要になりますが、伸び悩んで窓を埋められない状態が続いた場合でも61.8%戻しの水準を維持することができなければ、調整期間が長引くだけでなく、窓埋めを期待して売るのを止めていた投資家の売りがでて、上値が重たくなることも考えられそうです。

そのため一気に窓を埋めることができない場合、最低でも61.8%戻しの水準を維持することが早期に窓を埋めることにつながると思われますので、上昇トレンドが続くことに加え、61.8%戻しの水準を維持できるか引き続き注目していきたいと思います。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

 

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