みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓について解説したいと思います。前回は、「25日移動平均線上を維持して2つ目の窓を埋めることができるかに注目し、今後の株価を探るための判断材料にしたいところです」というふうにお話ししましたが、結果はどうなったのでしょうか。

日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

チャートを見ると分かりますが、先週は取引時間中に25日移動平均線を下回る場面がありましたが、終値では週末まで25日移動平均線上をかろうじて維持して終える結果となりました。
ただ、残念なことに13日につけた高値を更新することができなかったことに加え、今週の19日には25日移動平均線を割り込んで200日移動平均線に接近しているのが分かります。
そのため、早期に25日移動平均線上を回復できないようですと、25日移動平均線が上値の抵抗線に変わってしまうことが考えられるほか、下向きに変化した5日移動平均線も上値の抵抗になって株価の反発を妨げることになるのではないかと思われます。
そうなると、上向きの200日移動平均線上を維持できなくなって3月5日の安値に接近したり、割り込んだりすることも視野に入りそうです。
また終値で200日移動平均線を割り込んだあと、3月5日の安値も終値で割り込んでしまうようですと、残った窓を埋めることができなかったことになると同時に、下向きのトレンドが発生することも考えられる反面、週末にかけて25日移動平均線上を回復するようだと、再び残った窓を埋めることも考えられトレンドの見極めが難しい状況と言えます。
こうした状況がいわゆる「もち合い」というものになりますが、方向感がハッキリしないときは売買タイミングを計るのが難しくなると同時に上下どちらかにトレンドが発生したときは、発生した方向にスピードが加速することが考えられ、逆のポジションを持っている投資家は要注意となります。
また、仮に25日移動平均線上を回復して、3月13日の高値を更新するようですと、2つ目の窓を埋めることになると同時に下向きの75日移動平均線辺りまで反発が続くことも考えられますので、「もち合い」を形成しているときには思い込みや決め打ちでポジションを大きくしてしまい、損失が拡大することが無いよう注意したいところです。
さて、今週は窓を埋めるのか、それとも下放れしてしまうのか要注目の週となりそうです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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