みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についてお話ししたいと思います。1月にあけた窓ですが、2月に入って埋められてしまったばかりか、その後の値動きは月足チャートに示されているように大幅安となっているのが分かります。
もちろんNYダウの下落や円高など外部環境が悪化したことが下落の主な要因ですが、株価はこうした外部環境の変化も織り込まれて形成されていますので、1月に長い上ヒゲを形成して終えたことは2月の下落の予測につなげることができたのではないかと思われます。
仮に予測につなげることができなくても、リスクを取り過ぎないよう最低限の注意はできたはずです。
これまでこのコラムで解説してきたように、日足に加えて月足のチャートを確認することで、翌月の値動きに対する警戒や慎重さが生まれることになり、損失の発生や拡大を最小限に抑えるための役に立つと考えられるのです。
では今後の値動きはどのように考えればよいのでしょうか。前回も書きましたように、2月の下落がどこで止まるかなどや、月末にかけて戻すことができるかが注目ポイントになりそうですが、仮にすべての移動平均線を上回ったままで推移すると考えた場合、上向きの12ヵ月移動平均線が下げ止まりの目途になるのではないかと思われます。
ただ、2月9日現在の12ヵ月移動平均線の値は20,808円になっていますので、2月9日の終値と比較すると、574円ほど値下がりしてもおかしくないことになります。
また、今回の下落のパターンと似ていると考えられる2013年5月は上ヒゲを形成したあとも翌月から3ヵ月ほど伸び悩む展開となっていましたので、2月に12ヵ月移動平均線上を維持して下げ止まっても数ヵ月の調整が必要になるかもしれません。
一方で、あっさり12ヵ月移動平均線を終値で下回ってそのまま推移するようですと、2013年5月、6月とは別のパターンになってしまうことが考えられますので、月末にかけての値動きには注意し、売買判断や株価の方向を探る上で参考にしたいところです。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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