筆者から皆様にお知らせがあります!非営利団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析についてもっと学びたい」という読者の方々のために、有名な「ボリンジャーバンド」の開発者であるジョン・ボリンジャー氏を、東京(11月18日土曜日)と大阪(11月25日土曜日)にお招きし、セミナーを開催いたします。もちろん、日本語の通訳つきです。
「ボリンジャーバンド」で今の日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか?今後は上昇でしょうか、それとも下落でしょうか。実は、筆者もボリンジャー氏を囲むパネルディスカッションのパネラーとして参加し、意見させていただきます。続々と申し込みが届いていますので、ご興味のある方は、こちらからお早めにお申し込みください。
http://www.ntaa.or.jp/mw_wp/jb-conference(外部サイトへ遷移します)※詳細につきましては、当協会ホームページにてご案内しております。

今週の株式市場で大きく話題になったトピックについて、少しコメントします。1つ目は解散総選挙で株式は買いなのかどうか。いろんな過去のデータを分析すると、解散後の相場は上昇することが多いようです。複数のアナリストがテレビでコメントしていました。確かにそう、1990年以降の衆議院総選挙の前後の株価を振り返ると、投票日に向けて上昇しやすい傾向がある。期待で上昇、投票日を起点に反動がでるといったパターンです。ただ、あくまでも過去の平均値。今回の選挙(10/22投票見込み)に当てはまるかどうかは別なのです。
一方、配当権利落ちなど、9月末の特別な需給要因をこなしたあとの10月選挙のときはどうだったでしょうか。1990年以降では1996年がそうでした(10/20投票)。同じく、所信表明演説をしない「冒頭解散」で、新聞でみたところによると「小選挙区解散」といわれたそうです。株価の水準も今とほぼ同じでした。私は証券会社に入社して6年目に入ったころでした。今、この年の出来事で覚えているのは、大仕手相場となった兼松日産農林(現、兼松サステック)が大天井を付けたことぐらい。

さて、当時の日経平均はどうなったか。投票日(10/20)の前営業日の10/18の株価を起点に前後30日の動きをみると、投票日の30日ぐらい前に安値を付け、投票日まで上昇が続き、そこから下げました。上述した平均のパターンと同じです。
ただ、短期売買が主流になっている今の時代、細かい目先の動きも気になります。実は、投票日までの上昇の中でも上げ下げがあり、投票日の13日前(9月調査の日銀短観の発表付近?)まで上昇し、6日前(SQ前日)まで調整しました。そして再び上昇し、投票日の前営業日10/18が高値(21,612円)でした。
それを今回のスケジュール10/22(10/20起点)にあわせるとすると、今回も投票日(10/22)の前営業日である10/20を起点に、当時と同じく30日ぐらい前に安値(9/8)をつけて上がりだしています。それが今です。10/20の13日前が10/2、6日前が10/12となります。10/2はやはり日銀短観の発表があるし、10/12はSQ前日です。10月前半のイベントでポイントになるのはその両日となりそうです。

2つ目の話題は、米アップル株を筆頭に米国のハイテク株が弱いことです。先週の時点でアップル株の弱さ、国内ではソニーの弱さが目立っていました。いろんな説や理由があるかもしれませんが、私の方からはチャートの眼からみえてくる点を簡単にご案内したいと思います。下の図表で、米国のハイテク株が主体のナスダック100とナスダック銀行株指数を比べるとすぐにわかります。 「第473回 米国株上昇で次の物色は何か?」でご案内した図表の意味と同じです。つまり、これからはハイテク株から金融セクターに資金のリバランスがおきる可能性が高いです。ご自分がファンドマネージャーとして、過去の高値を超えてぐんぐん上昇したハイテク株と、過去の高値を超えたばかりの銀行株のどちらを新規にファンドに組み入れますか?
2020年を超えるレベルの中期スパンの見方が必要ですが、金利上昇局面に突入、日経平均にはある意味で追い風。ただ、日経平均への寄与度の高いファーストリテイリングが2016年に安値を付けにいく過程で、2013年から2014年の安値を下回り、長期チャートが崩れかけているようにみえます。なので、値がさ株のパフォーマンスは悪くなるようなイメージを持っていますが、いかがでしょうか。

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東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ