筆者から皆様にお知らせがあります!
私が所属している非営利団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析についてもっと学びたい」という読者の方々のために、有名な「ボリンジャーバンド」の開発者であるジョン・ボリンジャー氏を、東京(11月18日土曜日)と大阪(11月25日土曜日)にお招きし、セミナーを開催いたします。日本語の通訳つきです。
ボリンジャー氏が自ら開発した「武器」を使って日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか?今後は上昇でしょうか、それとも下落でしょうか。実は、筆者もボリンジャー氏を囲むパネルディスカッションのパネラーとして参加し、意見させていただきます。
ご興味のある方は、こちらから、ぜひお申し込みください。

http://www.ntaa.or.jp/mw_wp/jb-conference(外部サイトへ遷移します)

※詳細につきましては、当協会ホームページにてご案内しております。

アメリカ市場ではS&P500に続き、ダウ平均、ナスダックともに再び史上最高値を更新しました。地政学リスクにおびえていた東京市場は、慌てて米株高に反応している。
さて、日経平均は19,800円台に入ってきました。前回お伝えしたように、今年に入ってからの東証1部の売買代金を日経平均の200円刻みの価格帯で分けてみますと、19,900円~20,100円の水準が78兆円と最も多い。2万円前後の「雲」からは戻り待ちの売りが構えています。19,900円以上で推移したのは6月~7月ですが、1日あたりの売買代金になおすと2兆3,000億円程度です。何か刺激でもない限りは、当時以上には売買代金は増えないと思いますが、目先の刺激材料としてはやはり来週19~20日のFOMC(連邦公開市場委員会)です。

相場のサイクルで重要なのは、9月20日前後です。昨年のトランプショック時の安値から今年4月安値までの最初の山(安値→高値→安値のサイクル)の日数を、4月安値から将来に当てはめたタイミングがFOMCと同時期に到来するのは興味深い。
このまま2万円手前を維持しながらも、FOMCが上向きに強くなる起点になってくれば(逆に、材料出尽くしで調整の起点になることも考えておいた方がいい)、10月の「意外高」はあるかもしれません。
1987年以降、月間値幅が400円未満となった(3回)すべてが、奇しくも翌月から3カ月以内に1,000円以上動く月が必ず存在しました。
今年7月の値幅は344円と、1987年以降では最小値幅。過去20年間、10月相場は12カ月のうちで2番目に大きく動いており、7月から3カ月後の「意外高」はありえますね。
北朝鮮が制裁措置の可決に仕返しすれば少しは狂いが生じるでしょうけど、何もなく10月10日(朝鮮労働党創建記念日)を通過できれば・・・

米主要指数の高値更新によって、次の主役というか、物色傾向(中心的存在)はどうなるのか? これまでの株価推移から読み取れる1つのヒントがあります。過去に当コラムで取りあげた、「銀行株はまだ上がるか?」をまずはご覧ください。
当時、2008年以降でナスダックの上昇をけん引してきたのは、ナスダック上場銘柄のなかでもバイオテック株や銀行株だと書きました。2016年11月に何が起きたかといいますと、米長期金利(10年債利回り)の上昇によって金融株の上昇が加速しました。ナスダック銀行株指数は2006年12月の高値を上抜け、新たな波動が形成される可能性が高まりました。逆に、その間はバイオテック株が低迷していました(図表)。
しかし、最近はその逆が起きていたということです。ナスダック銀行株指数は2006年12月の高値更新後は揺り戻しの調整を強いられ、バイオテック株の方は上昇しました。それによって今はどうなったかというと、ナスダック銀行株指数は2006年12月の高値当時の水準に逆戻りしたのです(図表の赤丸)。つまり、テクニカル分析的にいえることは、ナスダック銀行株指数は短期的な調整を経て、再び上昇局面に入っていく可能性が高いということ。それを支援するかのように(不思議ですね・・・)、米長期金利が上昇してきました。金利がさらにぐんぐん上がるような局面ではないですが、米主要指数の高値更新後の上昇は、銀行株がけん引するシナリオを考えることができそうです。

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(※上記図表は 2000年を100として指数化したものです)

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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