TOPIX(東証株価指数)が8月29日、昨年11月のトランプショック時の安値を起点とした中期の右肩上がりのトレンドライン上にタッチしました。すでに、トレンドラインを割り込んでいる日経平均は同じタイミングで中期のフシとなる200日線(19,332円8/30現在)にタッチしました。両指数ともにそこから反発に転じていますが、当面の安値を付けるタイミングになるかどうか。
もちろん、このまま年初来高値(20,318円)更新の可能性も高いですが、4/17安値からの上昇のようにマドをともなうような強く勢いのある上昇でないと、早々には2万円突破は難しい。25日線(19,724円 同)や75日線(19,885円 同)までのアヤ戻しのあとに、もう一度下げる調整パターンが続く可能性だって現時点では十分ありえるといえます。
一方、北朝鮮がミサイルを発射した直後にドル/円が円高に振れた分が、結果的に「ダマシ」となり、その反動がしばらくは円安方向に流れを作ることになるかもしれません。
これは、8/30の夜、トレードステーション向けのオンラインセミナーでもお話ししました。トランプ氏が大統領に決まった際に日本株が大きく下げましたが、翌日にそれ相応の戻りとなりました。そこから上昇が加速したのは記憶に残っていると思います。それと同じで、瞬間的に一方向に動いた直後に戻しが大きければ、瞬間的な動きは「ダマシ」となりやすく、逆方向にしばらく動きが続きやすいのです。筆者は、ドル/円の移動平均線はフィボナッチ数のパラメータを使っていますが、ちょうど21日移動平均線を上に抜けたところ。55日、89日、144日、233日線が集中する、111.10円~111.50円程度まではありそう。そこから円高への揺り戻しが小さく、円安トレンドができあげれば、日本株にとっては当然追い風。
というシナリオであれば、日経平均は底打ちを通じて上昇が始まったということになります。9月は8月に上がらなかったセクターから来るとなると、保険、証券、銀行、不動産などに注目です。8/31の業種別上昇のトップに踊り出た銀行セクターの動き(8/31の前場段階)は、まさにそうなのです。
ただ、気になるのは日経平均の日柄面です。確かに8/29-30は変化日の見込みでした。もっと重要なのが、9/15~9/20頃です。トランプショック時の日経平均の安値から最初の山(サイクル)を形成した「107日」を、4/14安値から将来に当てはめたタイミング。見事に次回のアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)に絡んでくるところ。「5月に売って、セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな」という相場格言通りなのであれば、やはりダメ押しシナリオも想定しておく必要がありそうです。
東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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