ダウ平均は4/9に付けた戻り高値(16437ドル)を更新しました。史上最高値(16576ドル)まであと62ドル程度(4/22現在)に迫っており、現在発表されている企業の業績動向が株価上昇を後押しするか、でしょうね。

一方、直近発表された経済指標はまちまちで方向感がつかみづらい。寒波の影響で落ち込んだ反動でかさ上げされている可能性があり、米10年債利回りも2.7%から大きくかい離する動きがみられず慎重です。ダウ平均の構成銘柄では、すでに14社が業績発表を終え(4/22現在)、そのうち9社のEPS(一株当たり利益)が予想を上回る着地となりました。今週は構成銘柄の発表が最も集中する週です。4/24は3Mやキャタピラー、Visaなど5社が予定されており、新興国などの景気動向を図る上で重要ではないでしょうか。5/1~5/2には米国市場でアップルの次に時価総額が大きいエクソンモービルや、シェブロンなどが発表します。もちろん結果はわかりませんが、米国市場がNASDAQ主導からダウ平均主導へフェーズが移る分岐点になるかもしれません。

下記のグラフは、日経平均とダウ平均の昨年来の上昇率を比べたもの。日経平均は昨年1年間で56.7%上昇しましたが、年初からの調整により4/22現在で38.4%に鈍化しました。一方、ダウ平均の同じ期間の上昇率は26.0%と、昨年来では日経平均の方が12.4%程度高い。昨年5月の急落場面で両者の上昇率が近づいたあと、急速に日経平均は持ち直しました。この先の考え方の1つですが、今回も上昇率がいったん近づかないと日経平均に資金が向かわない(本格的に上昇基調に入れない)のでは? 日経平均がもっと下げるか、ダウ平均がさらに上昇するかしかないわけですが、史上最高値付近にあるダウ平均の方が可能性は高い。
日経平均は2月や3月の安値を一時的にせよ割り込んだことで、ダウ平均の史上最高値更新の動きに目先は追いつけない可能性はありますが、いずれ高値奪回の余地が生じるということなのでしょう。何となく、そう思います。

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以上

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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