名実ともに4月相場入りとなりました。1949年~2013年における4月の日経平均の陽線率(陽線とは始値よりも終値の方が高いこと)は67.2%と、年間を通じては1月に次いで高い。直近2年間は陽線が続きました。新年度相場への期待感から楽観的な見方が広がる傾向にあるのでしょう。ただ、月初から月半ばにかけて高値を付け、3月期決算が本格化する月末にかけて値を崩す傾向がみられることには留意したいところです。

最近、いやな格言を耳にしてしまいました。日経CNBCで毎週月曜日の引け後に担当させていただいたチャート分析コーナーが、今月から水曜日の後場の時間帯に変わりました。今週は一回目で、しかも日経平均が15,000円台を回復。景気の良い話でスタートできるかなぁ~と(所詮、元証券マンです)、意気揚々で挑みましたが、「Sell in May」の話しが突然耳に入ってきました。アメリカの相場格言で、5月は相場が軟調になることが多いということを表現したものです。それが耳に入ってきたことで、放送スタート寸前、強気トーンガタ落ち、の気分でした。周りに左右されているようでは、まだまだですね。

ただ、5/2前後は私も重要な変化日だと認識しておりまして、相場の上振れ・下振れのタイミング、高値や安値の変化日になるかどうか? いまだに迷い続いている次第でございます。なるほど「Sell in May」、5/2前後が下振れの起点になっても不思議ではありません。日経平均は3/7高値15,274円を越えるまでは、底割れに対して油断できないわけですから。

しかし、5/2前後は何が起きるのでしょう!ダウ平均の長期の対等日柄でも5/2、ドル/円でも5/1~5/3と出てくる、TOPIXの雲下限が最も低下するのが5/2・・・

先週末、久しぶりに週足チャートブックを購入し、パラパラめくりで銘柄をピックアップしてみました。結構、あるんですね。上手くいけばいいところで仕込めそうなものが。当然、そういう底値圏で推移する銘柄は業績が弱く、それだけでは到底買えない気分の方が強い局面なわけです。しかし、株価は先行します。ネットワンシステムズ(7518)は、中長期目線で見ておく必要があるのではないでしょうか。ラウンドワン(4680)などにも注目です。

3/28、あるテクニカル分析の勉強会に参加しました。そこで出会った大手不動産会社でお勤めの方いわく、これからの東京は予想以上に開発が進むとのこと。オリンピック特需や更新・補修需要、東京駅周辺の大規模開発などはまだ手付かずの状況で、東京で今動いているのは2年ぐらい前の契約のものだとか? わかってはいるものの、その話しぶりに圧倒されてしまいました。思うに、国内全体的に建設費の上昇で採算があわないため、確認申請だけとって工事を見合わせているのは確かでしょう。建設株が下がらないわけですね!銭高組(1811)、不動テトラ(1813)、鉄建(1815)、大末建設(1814)、熊谷組(1861)、矢作建設工業(1870)などは、少し長めの昼寝をしているだけのような気がします。銘柄によっては、本格的に動きだすのは8月後半から9月前半ぐらいでしょうけど、中小型建設株の一角はまだいけそうです。

以上

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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