7月3日(水)に新規上場した、サントリー食品インターナショナル(以下、サントリーBF)の株価が堅調です。東京株式市場の好環境の流れに乗り、猛暑なども追い風です。新顔ということで、戻り売り懸念も比較的少ない。市場の先高感が強ければ、この株を買うのが無難、となるのは当然でしょう。公募増資によって得た資金を海外のM&Aに使うとなれば、何となく成長感が出てきますし。
どうしても、カルビー(2229)の株価推移を連想してしまいます。カルビーが上場したのは2011年3月11日。東日本大震災の日でした。公募価格(2,100円)を一時割り込む場面もありましたが、初値2,100円に対して今年5月には10,230円まで上昇。26週移動平均線をサポートに大きな調整もなく、約5倍に化けた株です。トレンドフォローがいまだに続いています。
カルビーは上場後、3,000円台に乗せるまでの営業日数が79日でした。そこから、4,000円台に乗せるまでは181日、5,000円台に乗せるまで62日、6,000円台に乗せるまで44日、7,000円台に乗せるまで36日、8,000円台に乗せるまで70日、9,000円台に乗せるまで48日、1万円台に乗せるまでに21日といった具合でした。最初のうちは短期売買を含め、利益確定売りなども多いため、台替わりまでには時間がかかります。4,000円台に入るまでは時間がかかりました。そのうち離れる人が多くなります。下値で長期保有目的で買った現物株を含めて、水準を切り上げるごとに売りが出にくくなります。売りが少なくなる分、上値では買いのインパクトが大きくなり、上昇が加速気味になっていく。買いたいと思っても、高株価についていけない。でも、その買いたい買い物がいずれ出てくるまでトレンドは続くものです。高株価になっていくパターンの一つです。現状はまだ1万円処を上限にもみ合いながら力を溜め込んでいます。どちらの方向に向いてくるのでしょうか? サントリーBFの動きが少し止まりだしたあたりから、意識してみてください。
サントリーBFは上場当初の規模こそ全く違いますが、そんなイメージでトレンドフォロー戦略を試してみる価値のある銘柄の一つです。バリエーション面で規定される株価水準はあるでしょうけど、トレンドは何処まで続くかわかりません。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ