東京市場はインデックス(指数)ベースでは裁定買いは活発で、5/15の日経平均は2007年大納会以来の15,000円台回復となりました。しかし、指数が上昇するわりに持株はあまり上がらない、東証一部の値下がり数は1,000銘柄を越え、値上がり銘柄数を大幅に上回る内容でした。当然、内容は良くありません。

5/16の注目は、決算発表後のメガバンク株の動向でした。今期一転減益見通しが利益確定売りの要因となれば、不動産株が下げた連想が働く公算が高いとみたからです。
実際、日経平均は小高くスタートしましたが、早々にマイナスに転じました。メガバンクの軒並み安が相場全体のムードを悪化させたような印象をもちました。

しかし、全体相場悪化の要因は、むしろ新興市場の下げの影響の方が大きかったのかもしれません。東証マザース指数や日経ジャスダック指数の高値波乱の動きや、5/15に形成したチャート上の「陰線包み足」、日経ジャスダック指数は新値三本足が陰転しました。その影響というか、それが出たからみんなが売り出したのです。目立って材料などありません。日経平均は一日遅れて「包み足」になるかもしれません。現在は5/16午前11時です。
この先、新興株の下げすぎは良くない。買い方の体力が減退するからです。下げてから時間が大幅に経過しているわけではないですが、中途半端な押し目買いはやめた方がいい。
ここは、東証一部の地味なところに戻り、サンケン電気(6707)やSMK(6798)などの小型電機株、三井製糖(2109)、日清オイリオ(2602)など食品株などはどうでしょうか。

東証マザーズ指数の今回の大きな上昇は、それ以前の長いもみ合い期間で溜まった上昇エネルギーが一気に発散する格好となりました。ただ、もみ合い期間に対する上昇幅がまだ小さい印象で、短期的な調整を入れながらも上昇基調は当面続くとみています。
月足でみると、ローソク足は直近安値から「一陰介在十一陽連」を形成しており、買い一巡となっても不思議ではありません。次線となる6月は陰線を挟む可能性はあるものの、小陰線にとどまれば再び陽線につながりやすい。調整後に高値(5/8、1083.24P)更新となれば、次の上値メドは1579.59P付近とみています。

その前に下値メドです。今日の下げでダブルトップ(二番天井)が確定しそうなので、目安はさっくり800.86Pぐらいでしょうか。既に、そこに近い水準なので、今日は基準線(845.26P)以上で終えられるか?どうだったでしょう。
基準線で耐えられれば、もち合い相場から上放れで上記の上値(1579.59P)につながる可能性を維持できると思います。しかし、一時的に940P前後まで戻して再び安値更新となると、逆N字型の調整で700P割れぐらいまで調整が深まることがあるかもしれません。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ