円相場が動きだしそうです。円安方向か、円高方向かはわかりませんが、対ドル、対ユーロともに価格推移が煮詰まってきており、そろそろ動きだすタイミングではないでしょうか。三菱地所(8802)の決算発表をきっかけに、期待先行で買われてきた主力内需株の上値が追いづらくなってきています。トヨタも特にサプライズなしの反応で、主力内需株が買えない分、仕方なく買っているような雰囲気もします。いずれにしても、市場は新しい材料や外部環境の動きを欲していることは確か。

円安方向に振れると仮説を立てた場合、一段の業績改善期待で輸出・外需関連の動きが強まる可能性は高いです。

ただ、輸出・外需関連でも先駆したセクターは、期待先行で円安効果を先取りしており、織り込み度合いが大きい。例えば、TOPIXの昨年11月安値を起点に業種別の一部の株価推移を比較すると、出遅れ感が強いのは、商社や精密・電気機器になります。
特に大手商社株。前期業績は低迷しましたが、今期見通しを信じたい。また、NY原油先物は2011年以降、1バレル110ドル~80ドルあたりでもみ合いが続いています。100ドルを少し超えた水準に強い節目がありそうですが、突破できるかどうか。大手商社株をみる上で目が放せないところだと思います。もちろん、原油が上昇すれば、同じように出遅れ感が強い国際帝石(1605)などの石油・石炭関連などにも注目です。

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年央に向けて重要な日経平均の日柄は、2010年4月高値から「86週」を経過させた7月第2週前後とみています。ということは、7月の参議院選挙前後に向け上昇基調が続くのか、そろそろ反転し、7月まで調整が続くのか? 円安が進めば前者でしょう。
欧州や中国の景気減速懸念が和らぐ?ことはないでしょうか。特に欧州株は上昇しています!短期で景気の揺り戻しが生じるとみれば、足元の日本株上昇の一部は説明が付くでしょう。ユーロ関連では、例えば、アルパイン(6816)、日立工機(6581)、森精機(6141)、コニカミノルタ(4902)、アシックス(7936)、DIC(4631)、ダイキン(6367)などに注目です。

新興市場の上昇基調は全体としては続くと思いますが、短期的には一部の銘柄に波乱含みの動き。とにかく用心! 相対的に上がってない銘柄を買う発想が重要です。ここから勢いのある銘柄への順張りは怖いし、みんなが触る銘柄からは撤退した方がベター。これまで儲けた分、1銘柄の損ですべて帳消しになる可能性がありますから。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ