キヤノンやコマツなど主力株の一部に軟調な銘柄が目立ってきました。海外株市場に目立って崩れてきているような印象はないですが、特定の悪材料が出たかのような下げ方はあやしい。海外勢の売り以外に考えられないのですが・・・

いや、株価が何かを物語っているのでしょうか? 確かに、今月下旬から出てくる業績観測や会社側が発表する今期見通しに対する楽観ムードはやや後退しているようです。

4/3付けの日経新聞9面の企業総合欄に掲載されていた「国内鉄鋼、円安効果に時間」とあった記事です。これによると、「経済産業省が2013年4-6月期の国内粗鋼生産量が前年比で4.1%減少するとの見通しを発表。鋼材輸出が伸び悩む一方、国内も自動車や造船などの需要が減るのが要因」と書いてありました。円安効果などで国内製造業の生産回復に期待は高まる一方、基礎材料である鉄鋼への波及には時間がかかるとの見方です。
円安効果に時間がかかるのは鉄鋼だけでしょうか?

投機筋による期待先行で株高・円安基調は続いていますが、次の決算発表では期待値に届かず、短期的な失望売りにつながるリスクが高まってきたような気もします。

と書いているうちに、日銀による追加緩和策が発表になりました。資産買い入れ基金を廃止し、マネタリーベースが年間60-70兆円ペースで増加するよう金融調節をする。REITの買い入れ額を年間300億円増額、ETFの買い入れ額を年間1兆円増額し、ETFの残高を13年末に2.5兆円、14年末に3.5兆円にすることを決定。また、長期国債の買い入れ対象を40年債を含むゾーンに拡大し、その国債の買い入れ平均残存期間を従来の3年弱から7年程度に延長する、とのことです。40年債を含むゾーンに拡大・・・これがサプライズだったのかも。日経平均は12,600円台を回復しました。このコラムを書き始めた時間のキヤノンやコマツの弱いローソク足は様変わり。下ヒゲ足に変わったことで、目先はリバウンド狙いの買いでしょう。

まあ、いずれにしても銘柄を変えないといけないような気がします。日経平均と同じ3月高値から調整銘柄よりも、2月高値から調整銘柄の方が早めに出直りを見せる可能性はありますね、NEC(6701)、富士通(6702)などに注目です。

同じ電気機器セクターでいきますと、日本無線(6751)なども隠れた防衛関連株。金融危機後の戻り高値200円台後半の戻り高値を超えたあと調整していますが、短期的な調整を経て、日足の一目均衡表の雲下限から自律反発に期待です。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ