某新聞に昨日、「個人の短期売買、株式市場で増加」~長期投資家の育成が課題、といった記事が掲載されておりました。そこに登場した都内の男性投資家。売買するのに「経済指標や企業業績をまったく見ない」ということ。先物取引を中心に毎日、数千万の売買をしている・・・といった記事でした。では、何を判断材料にするかというと、「チャート」だそうです。

ご存知の通り、株式の現物取引は落ち込んでいますが、先物取引に関してのそれは現物に比べて大きくありません。株式の売買も現物取引から信用取引を使った短期売買に移行していて、株式の売買に占める信用取引の比率は上昇傾向。そのデータを日々追わなくても、市場動向を見ていると何となく感じることではあります・・・

短期投資家が増えたのはネット取引が主流になった要因が大きい。それに対して、昔はいたかもしれない長期投資家。でも、長期投資家といえる人は、バブル崩壊以降では、ほとんどいなかったような気がします。長期のスパンはそれぞれの考え方があるでしょうけど、最低でも10年ぐらい?
もっとも、1989年12月にバブル高値を付けたあとの急落後、株価の動きは上がったり、下がったりの繰り返し。長期保有の自信が持てなかったのでしょう。長期投資といった名目で資金を投入するものの、買い値から値下がりしたあと、また買い値に戻ったら直ぐに売却するといったように・・・長期投資といえど短期の値動きを気にしない人はいなかった。やっぱり、少しでも安いところで買いたいものですよね。
政策投資で買われた株券がたまたま持ち続けて上昇しているケースや、よほど値下がりに対して体力のある資金力大の超大口投資家ぐらいでしょうか・・・日本の長期投資家といえるのは。

さて、7月20日から、大証のイブニング・セッションで先物・オプション取引がそれまでの20時までから23時30分まで取引終了時間が延長されました。米国の雇用統計などのメインの経済指標は日本時間で21時30分(冬時間は22時30分)に発表されますので、それを材料にしてポジションテイクをすることが出来るようになったのです。

イブニング・セッションは大きく動きのある時間帯ではありません。欧米の経済指標がある時ぐらいでしょうか、それを材料に動く程度でしょう。ただ、経済指標の数字だけをまともに見るだけでもいけません。その経済指標をみて市場参加者がどういった行動にでるかを予測しなければ、利幅を取れるものでもないのです。特にイブニングの時間帯は材料が限られているだけに、みんなが同じ材料に注目するわけですから、いざ、経済指標の結果を見て売買判断しているようだと、遅いわけです。米経済指標の予想などとの絡みで、結果に対して自分以外のみんながどのように動くかを予測してポジションテイクしないと、たとえ20円でも利幅取りは難しいでしょう。

そういった意味でチャートは武器です。しかし、簡単に使いこなせるものでもありません。デイトレレベルの短期売買だと教科書通りに利用してもついていけない。チャートもまたみんなが同じように見て、同じような判断をするからです。そう、テクニカルな動きがどうなるかを予測する、あとは度胸といったところでしょうか。
イブニングの時間帯は先読みの勝負です。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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