5日移動平均線上を維持できるか、SQ後の株価に注目
前回のコラムでは「75日移動平均線上を維持できるかが4万円を目指すためのカギ」と解説しましたが、75日移動平均線を上回ったまま維持しているとともに、上向きに変化して200日移動平均線を上回った5日移動平均線上を維持して、12月10日の取引を終えています。
そのため、上放れへの期待は継続中と考えられますが、一方で上値の重たさが目立っています。上値の重たさとは、株価が始値より終値の方が安くなることです。これをローソク足であらわすと陰線になります。実際、日経平均は12月4日から12月10日までの間に、5日連続で陰線が発生しています。
このように、陰線が多発していることから、4万円に接近すると売り物に押される展開になっていると考えられます。その一方で、上向きの5日移動平均線上を維持しており、このまま5日移動平均線上を維持することができるかが、4万円台回復のカギを握ることになりそうです。
仮に今週末のメジャーSQを通過しても5日移動平均線上を維持するようなら、上放れの可能性が高まります。その反面、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま押し返されるようなら、10月16日や11月13日以降のように38,000円前後まで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、下降トレンドの発生に要注意です。
モメンタムが低下して0ラインを割り込んだ場合は要注意
そうした中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているのが分かります。
そのため、2本線が上昇を続けることができるかどうかが注目ポイントです。仮に2本線が上昇して水準を切り上げるようなら、上昇の勢いが強まって株価水準も切り上がることが期待されます。
反面、2本線が低下して0ラインを下回り、水準を切り下げるようなら、一気にすべての移動平均線を下回って下降トレンドが発生することが考えられ、注意が必要と思われます。こうした状況から、もち合いがこのまま続くときは下落への備えも必要かもしれず、慎重に対応したいところです。