人の裏の裏ぐらい読まないと花の山は見えませんね・・・今の相場局面は難しいです。それが相場読み師の醍醐味だったりするのですが、一喜一憂は禁物です。
昨日は東証1部の値上がり銘柄は1500以上で文字通りの全面高。その翌日(きょう)に、ここまで下げると拍子抜けですね。25日移動平均線の奪回にも成功し、値上がり銘柄数も今年2番目(2月22日の1533以来)の記録ともなれば、再び上昇期待は強まるところでしたが、きょうは朝から何故こんな下げ方をするのでしょう。
昨晩の米株は小動き、東京時間に入ってから確かに米株先物指数は下落していたのですが、それにしても日経平均、TOPIXはここまで朝から下げるかぁ~というのが私の感想でした。私以外でもそう思った人が多かったに違いありません。
円高進行、ギリシャ信用不安、米金融規制問題、新興国の金融引き締め懸念など、いろいろありますが、今に始まったことではないでしょうに。

でも、下げる可能性は昨日の段階で少しはあったのです。昨日の日経平均は4月13日ザラ場安値11088円や16日ザラ場安値11084円などを横につないだネックラインあたりまでの上昇にとどまったからです。昨日の高値は11093円。早々に25日移動平均線を奪回したことで、凄い!とは思っていましたが、ネックラインまでの上昇であれば株価の習性の動きとしては一般的にある動きだからです。「揺り返し、プルバック、リターンムーブなど」、いろんな言い方ありますが、要するにこれまでの下値支持線を株価が下に突き抜けることで、その突き抜けたあとは逆に上値抵抗線になります。
その下値支持線を突き抜けた勢いの反動が最初の方は出やすくて、上値抵抗線まで一回戻るクセがあるということ。ローソク足でみれば陽線高値引けで反発力強いね~といった話しになるのですが、・・・・その辺ダマシというのでしょうか?
きょうの朝の段階の悪材料まで織りこんでも、ここまで下がってスタートするとは思わなかった(私だけかもしれませんが)のですが、株価の単なる習性の動きだとすると、材料なんか関係なく下げていたということになるわけです。
さて、小難しいこと、ダラダラ能書きいっても仕方ないのですが、この先はどうでしょうか。日経平均をみますと週初の安値10900円を終値で下回ると弱いです。そのケースでは、昨年11月にドバイショックで下げたときからの安値で結ばれる上昇トレンドラインまで下げても不思議ではありません。10700円前後だと思いますが・・・75日移動平均線あたりになります。さらに下げるケース? これは昨年3月安値と11月安値で結ばれる下値支持線を見てください・・・200日移動平均線あたりになってきます。あっても不思議ではありません。一方、週初の安値10900円を下回らずに、逆に昨日の終値11090円を超えた場合、これは強い。底固めができるからです。

だって、米株は高値圏で全然下げないんですよ? 業績発表シーズンに入っているにもかかわらず。年初から大幅に下げたときは、2009年10-12月の決算シーズンで、金融規制、あげくの果てにはユーロ問題も出たりなんかして・・・。
現在、金融規制やユーロ問題は毎日のようにどこかにでています。また、決算シーズンなのに株価は堅調。今の株価の堅調な動きが将来のことを織りこんでいるのであれば、そんなにこれ以上悪い話は目先出てこないということではないでしょうか。
決算が出尽くしとなり、株価は下げるとよくいわれますが、現時点で下げてないのに何故そんなことがいえるのか? 悪いように織り込んでいるのであれば、米株は既に下がりだしているでしょう。これからいいように織り込んでいくからこそ、株価は高値圏で下がらずに準備しているのではないでしょうか?無責任な言い方かもしれませんが、みんなが目の前で同じように見える材料でしか判断しない投資手法では、なかなか勝率はアップしません。
株価が何をいわんとしているかを考えた方がいいのです。そんなこんなを意識しながら銘柄をみていくと上がりそうな銘柄はきっと見つかります。アナリストレポートよりも早く・・・。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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