トヨタ株は半値戻し達成。1月高値から2月安値まで1040円下げましたが、24日終値3715円はその半値戻しの株価です。私なりには3800円あたりが目先的にはいいところだと思いますけど、この先のトヨタ株の動きは、こう着続きの相場全体をみる上でヒントになるかもしれません。ソニー株の3500円~3600円の水準も鬼門です。月足レベルでないと見えませんが、ここで止まりやすい理由があるのです。
一方、ホンダ株の割安感が目先注目されるのではないかと思っています。しかし、凄いですよね、「CR-Z」。受注が発売から1か月程度で月間販売目標の10倍の1万台を超えたらしいです。確かにチラシでみても買いたくなるぐらい格好がいいですよね。売れるのがわかるような気がします。

それと、今日の新聞記事を読んで確信しましたが、工作機械株。良く考えてみるとそうですよね。新興国ではコマツの建設機械で下を掘って工場や建物を作る。そのあとは工場や建物に入れる汎用的な機械など含めたハイテク装置が必要になりますよ。簡単に考えればいいことなんでしょう。日本の金型技術は世界に誇れるものがありますし・・・。
2月の工作機械受注は急回復したということもありますが、記事を読む限りでは受注は既に底打ちしてそうです。どうしても地味なセクターなのでいつも横目でしか見てないのですが、ファナック株がやっぱりずっと強かったんですよね。
以前、あるテレビ番組のチャート分析のコーナーでファナック株を採り上げるということで、事前に月足をみて思ったことが、ほかの銘柄と違って相対的にまだ大きく上がる余地あるなと・・・・。当時、そうは言っても国内景気は、設備投資は、・・などなど考えると、この先上昇する要因をつなげることができなかったのですが、ようやくシナリオが見えたような気がします。

さて、4月1日に新規上場する第一生命の売り出し価格が14万円に決定しました。市場からの吸収資金は約1兆円と東証1部のほぼ1日分の売買代金に匹敵します。25日から30日までが申し込み期間のため、昨日ときょうの2日間で換金売り、・・・大変だ、それでどうなる、といった話しが出ていましたが、用意スタートで売りが出るはずがないですよね。売りの中身が見ることができれば、なかには換金売りもあるでしょうけど、それに対応する買いがあれば、相場にとっては影響なし。しかも、いつもと東証一部の売買代金は変わらないので、それが要因で売り買いが増えているわけでもなさそう。
換金売りが要因で下げるならば、もう少し前から下げ始めているだろうし・・・、市場外取引を使ってますよね。

上場日は4月1日で当日は13時の初値取引のみ。いわゆるダッチ方式です。板情報は通常の寄前情報と同様に表示されます。値段が付かない場合は特別気配の表示で終了、翌日に再度ダッチ方式にて初値を決定するそうです。
強気材料としては、過去生保の上場はいずれも成功していることや、海外戦略への評価が高いなど、国内売り出し株数のうち半分は指定先に配分されておりロックアップが掛かることで軽減されるでしょうし、契約者に配られた株式も既に現金配布か現物配布か事前に選択しているためその分の売りは出てこないでしょう。上場日が新年度入りに該当することからも雰囲気で初値買い意欲が高まる可能性も高い。配当基準日が上場後に設定されていることなどから初日に売りづらい、といったことはあると思います。
弱気材料としては、吸収資金巨大、既存株主多数、少子化で先細りの市場のなかで大手生保を無理して買い進む理由に乏しいなど。ファンダメンタルズを根拠にした声はあまり聞かないようです。
より低い値段で売り出し価格が決まった点については、巨大IPOは需給よりもフェアバリューが重視される傾向にあることを踏まえればポジティブ?
フェアバリュー重視であれば低い方が有利です。ちなみに過去の例では2004年4月1日に上場した太陽生命保険(T&Dに統合)も仮条件7万~9万円に対し、売り出し価格7万5000円と低調でしたが、初値7万8000円で船出となりました。いずれにしても、大きくかけ離れた値段は付きにくいのでは・・・。むしろ、イベント(第一生命上場)通過後の金融株の動きに注目しています。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

-----------------------------------
「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!!
http://www.traders.co.jp/service/goods/premium.asp

-----------------------------------