前回の、"年末にかけて3月安値を下限、6月高値を上限とした「三角もち合い」が続くとすればどうでしょうか"との問いです。そうなると、終値ベースの2月高値、3月安値、6月高値、今回の7月安値を付けてきたサイクル(日柄)は非常に重要で、今後の有用な投資判断に使えるのではないかと指摘しました。
 やってみた結果ですが。例えば、2月高値から6月高値までの期間は「69日」、それを6月高値から先にあてはめると「9月11日」が変化日になります。「9月11日」は7月安値から一期二節といわれる基本数値「42日目」にもあたりますので重要かもしれません。
 3月安値から7月安値までの期間は「83日」で基本数値そのものだったんですね。それを7月安値から先にあてはめると、「11月12日」が変化日になります。そんなに難しくはありません。変化日の予測はこれまで相場がつくってきた足跡を同じように先にあてはめたり(過去の日柄を対等する)、「基本数値」といわれる数値を先にあてはめると出てきます。そうするとたくさん変化日が出てくるわけですが、重要なのはどの変化日を重要、強いとみるかです。何回もいろんなパターンをやってみて、重なる日柄に重点を置くように考えます。個別銘柄でも相対的な過去の安値や高値を拾ってきて、試してみてください。 来月からのマネックスセミナーでは、個別銘柄をピックアップしながら時間論を特徴とする「一目均衡表」について、少しずつとりあげていきたいと思います。

 しかし、NY原油先物(WTI)は7月11日に付けた時間外取引の高値147.90ドルを基点に「ピークアウト」した可能性があります。テクニカル面では、1998年12月安値から2000年9月までの上昇幅27.45ドルの「5倍」137.25ドルを、1998年12月安値10.35ドルから上昇した水準は147.60ドル。ほぼ一致する高値です。 短期的には中東情勢の悪化や値ごろ感から急反発する場面もありそうですが、中期的には2009年夏場に向けて80ドル程度まで調整する可能性もあると見ていますが・・・どうでしょう。希望的観測がかなり入っています。

 ところで、7月高値前後の動きだと思いますが、元売り業者が価格決定方法を一部で欧米方式に変えた―ということを、それ関係の友人に聞きました。 元売り業者は貯蓄タンクがあるので、仕入れてから出るまで1-2か月のタイムラグがあります。よって、相場が上がっても販売価格はすぐには上がらなかった。今回の原油相場は長期で上げが急だったので、安い物を高く売れるチャンスを輸出も含めてずっと見過ごしてきたといえます。
 スタンドなどの現場ではどこか一か所でも安いものが出てくると体力勝負で値段を下げたり、値上げしないと赤字なのに我慢して消耗戦を行っています。おまけにレギュラーが160円超えてからの買え控えは凄まじく、赤字の自転車操業に今度は売上の低下でキャッシュが回らなくなってきているそうです。スタンドは厳しいですよ。
 私の近所でも7月から取り壊されているスタンドがあります。7歳の娘のうわさでは"ファミレス"になるみたいですけど、かなりガソリン安いスタンドだったので夫婦ともにショックでした。

 それを今回、相場上昇にリンクして販売価格をすぐに上げられるような販売価格方式に変えたのです。そうすれば、過去に安く仕入れたものでも、より高く売れ利益を上げることができますよね。上げ相場では・・・・。
 しかし、相場が崩れ始めた今、高い在庫でどんどん下がる価格に合わせなくてはいけなくなる。高値で買ったものを安く売らなくてはならない。ベストな押し目シナリオとしては下がった後、ここぞ、と言う時にこれを導入しなくてはいけないのに・・・。
 為替や原材料相場を扱う事業会社には、テクニカルアナリストが一人ぐらいいてもいいですね(笑)。投信運用会社にテクニカルアナリストがいないのと同じぐらい不思議です。ファンド運用で業績の良い銘柄ばかり組込んでもパフォーマンス向上しませんものね。

(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)

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