今週は週初から日米中の景況感に注目が集まる。2日に日本では日銀短観、米国ではISM製造業景況指数、中国では財新版製造業PMIが発表される。

日銀短観3月調査では、注目度の高い大企業製造業の業況判断DIが8四半期ぶりに悪化した。今回の6月調査でも引き続き悪化する見通しで、2期連続の悪化は5年6カ月ぶりとなる。市場では景気の踊場と受け止められるだろう。前回からすでに人件費や原材料費の上昇によるコスト高が景況感を悪化させていたが、その時点から一段と悪化している。原油価格は先週3年7カ月ぶりの高値をつけた。さらに米国の保護主義政策による貿易戦争の懸念も企業の景況感に悪影響を与えているはずで、悪化するのは織り込み済みとしても下振れがどの程度大きくなるかが焦点だ。但し、設備投資計画は3月より上方修正されるだろう。そちらの明るい材料に目が向くかどうか。

米国のISM製造業景況指数も同様に貿易摩擦の問題がどの程度反映されるのか見定めたい。5月は3カ月ぶりに上昇し58.7となった。特に内訳の「新規受注」が2.5ポイント上昇し63.7と非常に高水準となった。通商摩擦の懸念が強まる中、引き続き高い水準がキープできるかが焦点だ。

中国の財新版製造業PMIは5月はまだ堅調だったが、6月は悪化が見込まれる。これに先立って国家統計局が6月30日に発表した製造業PMIは51.5と前月の51.9から低下。市場予想を若干下回った。但し非製造業PMIは55と、前月の54.9から上昇した。

週央の4日は米国の独立記念日で米国市場は休場。投資家不在で動きにくくなる。翌5日にはFOMC議事要旨が発表されるが、前回のFOMCでの金利見通しなどを受けて市場は米国の金融政策について一定のビューを形成しているだけに、今回の議事要旨はそれほど材料にならないのではないか。

今週最大の焦点は米中両国による追加関税の発動(6日)。500億ドルのうち、まず340億ドル分の品目に25%の関税をかけ合うとされるが、残りをどうするかなどの言及があるか注目される。同日に発表される米国の雇用統計の注目度も、貿易摩擦のかげではかすんでしまうほどだ。このため、今週は米国の独立記念日の前日あたりから、見送りムードが強まって動きにくい展開がずっと続くと思われる。

日経平均は22,000円台前半から中盤で膠着感の強い展開となろう。予想レンジは22,000~22,500円とする。