東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は7日ぶりに反発となりました。前週末の米国株高を受けて338円高で寄り付いた日経平均は、9時20分に145円高の38,847円まで上げ幅を縮小し本日の安値を更新しました。その後は半導体関連銘柄が買われ、節目の39,000円台を回復し、一時400円高をつける場面もあり、前場は341円高の39,043円で取引を終えました。
後場の寄り付き後しばらくは39,050円近辺で推移しました。しかし、14時ごろから上げ幅を広げると一段高となりました。引け間際の15時24分に508円高の39,210円をつけ高値を更新し、最終的には459円高の39,161円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶりに反発、0.8%高となりました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)が4.5%高をつけ、3日ぶりに反発となりました。また1銘柄で日経平均を102円押し上げました。前週末の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が1.5%高と上昇しており、日本市場もディスコ(6146)とソシオネクスト(6526)が2%強上昇、東京エレクトロン(8035)、SUMCO(3436)、レーザーテック(6920)、ルネサスエレクトロニクス(6723)の4銘柄は1%以上上昇しました。
KADOKAWA(9468)は15.6%安をつけ、大幅続落で取引を終えました。19日にソニーグループ(6758)と資本業提携を発表するも、市場はソニーグループによる同社の子会社化を期待しており、前週末からの失望売りが本日も続きました。足元の株価は買収協議報道後の上昇分のほとんどをはき出しています。
トランプ次期大統領がNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対し、国防費をGDPの5%に引き上げるよう求める方針といった報道から防衛関連銘柄の一角が上昇しました。防衛費の増額を期待した思惑買いにより、IHI(7013)は4.3%高、川崎重工業(7012)は4.1%高で揃って反発、一方で三菱重工業(7011)は0.4%安で続落となりました。
エイチ・アイ・エス(9603)は2.3%安をつけ、3日続落となりました。20日に2024年10月期の最終損益の見通しを「未定」とし、1株当たり10円を予定していた配当金を無配とする方針を発表したことが嫌気され売られる形となりました。
医薬品医療メーカーの日本新薬(4516)が8.0%安となる大幅反落で取引を終えました。バイオ製薬の米サレプタ・セラピューティクス[SRPT]との特許を巡る訴訟で、同社の特許は無効であるとの評決が下されたことによって、業績悪化が懸念され売りが膨らみました。
その他の銘柄では、完成車メーカーが強く三菱自動車工業(7211)が5.3%高、本田技研工業(7267)が3.8%高、トヨタ自動車(7203)とマツダ(7261)の2銘柄が2%以上上昇と堅調に推移し取引を終えています。また、機械加工部品のミスミグループ本社(9962)は国内証券による目標株価の引き上げを受けて、1.7%高で続伸となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、7日ぶりに反発し節目の39,000円を回復して取引を終えました。今週はクリスマス休暇で日米とも薄商いが予想されます。明日に向けて、第3四半期の小売動向をうかがう上で大引け後のしまむら(8227)の決算発表に注目です。市場コンセンサスは通期の当期純利益で、414億円が予想されており第3四半期時点でどこまで進捗しているかに注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)