今週は月末月初で重要イベントが目白押しである。まず日米で金融当局の会合が開かれる。日本では30-31日に日銀金融政策決定会合が、続いて31日-11月1日にはFOMCがある。米国では12月の利上げがほぼ確実視されており今回のFOMCに対する注目度は高くない。日銀会合も現状維持がコンセンサス。展望レポートでは今年度のコアCPI見通しを7月レポートの1.1%から1%割れに下方修正することが見込まれている一方で、来年度以降は据え置きだろう。いずれにせよ、こちらも見るべきものがない。
唯一、興味を引くのは、片岡審議委員が対案を披露するかどうかだ。片岡氏は初出席した前回の会合で、現行の政策では2%物価上昇の目標達成には不十分といった理由で現状維持に反対票を投じた。不十分とするなら、さらに踏み込んだ緩和策を講じるべきだと具体的な方法を提案するかどうか、注目したい。
日銀会合、FOMCともに会議自体より、会議をチェアする人物の後任人事に関心が集まっている。新FRB議長は今週にも発表される公算が高い。テーラー氏が選ばれた場合、短期的な市場の波乱要因になるかもしれないが、一時的なものにとどまるだろう。
土曜日の日経新聞は、日銀総裁について黒田氏続投の可能性を1面で書いていたが、同じく土曜日に経済番組でご一緒した木内登英氏(前・日銀審議委員)は別の見方だ。ここからさらに5年、2期務めるのは黒田氏本人にとって不利なので自ら辞退する可能性があるという。周囲には2期はやりたくないと漏らしているとも聞く。黒田総裁続投というメインシナリオ一本かぶりは、ややリスキーだ。
経済指標では米国のPCEデフレータ、ISM製造業景況指数、雇用統計と重要なものが相次ぐ。特に雇用統計は前回ハリケーンの影響で相当歪められた結果となったので、今回はその反動がどう出るか注視される。
先週は米国の決算発表が佳境を迎えたが、今週は日本の決算発表のピークである。改めて好業績が確認され堅調な地合いが続くだろう。上方修正が多く出れば相場の水準が一段と切り上がる。2万2000円を回復した日経平均の次のターゲットとして1996年6月のバブル崩壊後の戻り高値2万2666円を挙げる声が増えてきた。すでにレポートで書いている通り、僕のターゲットは年度末2万5000円である。2万2666円は通過点にすぎない。
日経平均が今週の月曜、火曜ともに上昇して終われば、2017年10月は下げた日がわずか1日という歴史的な記録が作られる。先高観と押し目買い意欲が強いので記録達成に期待を寄せたい。
今週の予想レンジは2万1850~2万2300円としたい。
なお、われわれは日経平均が3万円に達するという見解を先週発表しプレスリリースをおこなった。こちらもご確認いただきたい。