フランス大統領選の第1回目投票はマクロン・ルペンの両候補が2回目の決選投票に進むというメインシナリオ通りの結果となった。安心感からドル円もユーロ円も急速に円安が進んでいる。これを受けて東京株式市場も続伸で始まるだろう。だが問題はその持続力だ。

フランス大統領選の第1回目投票を過ぎても、まだまだ重要イベントが目白押しなので、神経質な展開が続く。特に25日の朝鮮人民軍創設85周年、26日の米減税策発表、28日に切れる米暫定予算期限などが要警戒。

26日にトランプ大統領が発表する減税策の期待が残る週前半は堅調だろうが、発表されたら材料出尽くしか。トランプ大統領はAP通信のインタビューで「過去のあらゆる減税をしのぐ規模になると思う」と発言した。言葉通りの大型減税策を打ち出すとすれば、その財源を巡る調整が難航するだろう。国境調整税の取り扱いなどハードルは多い。大型であればあるほど実現までの道のりに市場は不安を感じるだろう。逆に小粒なものにとどまれば、市場は失望売りで応えるだろう。だからどちらに転んでも、材料出尽くしと思う。

国内では決算発表が本格化する。先陣をきって先週金曜日に決算を発表した安川電機は、一時前日比4%安まで売り込まれる場面があった。前日に発表した2018年2月期の純利益は250億円と実質的に過去最高となる見通しだったが、コンセンサス通り。市場はそれではものたりないという反応を示したわけである。これで売られるとなると相当厳しい。安川電機の決算発表を受けた株価の動きは、その後に続く決算シーズン全体のパフォーマンスの先行指標とされているだけに、非常に幸先の悪いスタートとなった。

その意味では月曜日の市場でソニーがどのような反応を見せるか注目だ。日経の業績観測記事で今期の営業利益が5000億円程度と報じられたが、それは市場コンセンサス並だ。直近の相場のボトムをつけた17日からの戻り局面でソニーは市場をアウトパフォームしていただけに利益確定売りが広がるかもしれない。

週末にかけてはリスクが2つある。ひとつは米国の暫定予算の延長ができて政府機関のシャットダウンが避けられるか。もうひとつは同じ28日に発表される米国のGDPが下振れするリスク。直近のブルームバーグ予想は1.2%から1.1%に下方修正された。1-3月期は前四半期に成長のけん引役だった個人消費が振るわなかった。万が一成長率が1%割れとなるとネガティブサプライズで株もドルも売られるだろう。

よって週前半は米国の減税期待で堅調でも週後半は警戒から利益確定売りが優勢になると思われる。仮にそうならなくても、翌週からGWを控えているだけに手仕舞い売りが賢明だと思う。