月曜日のつぶやきに、今回のマーケットの変動はやがて落ち着いていくだろうけ ど、アメリカの長期金利の動向だけは、その影響力があまりにも大きいので要注 意だという旨書きました。ニューヨークからの動画レポートの最後の部分でも、 長期金利が上がって株式市場が動揺して売られたイメージが焼き付いているので、 当面は長期金利の動向には要注意だと云いました。残念ながら、昨晩のアメリカ で正にそのことが起きてしまいました。
前にも書いたことがあるように、マーケットの価格は売るから下がり買うから上 がる訳ではなくて、様々な条件や読みから自ずと価格は決まっていき、そしてそ の価格で同数の売買が起こるものです。米議会で歳出上限の引き上げが前向きに 議論される→国債の増発が予想され、社債も今のうちに増発されることが予想さ れる→巨額の債券発行に対しては金利がもっと高くないと投資家の興味を惹かな いだろうと云う連想から金利が上昇する→株式の配当利回りと比べて債券の妙味 が高くなると考えられる→株を売り債券を買うと云う連想が生まれる→株価が下 がる。ま、そんなメカニズムでしょうか。
しかしここまで長期金利が注目されると、アメリカの連銀も、延いては日本を含 めた各国中央銀行も、中々金融政策に今は手を出しにくくなったでしょうね。そ んな株式市場からの注文が、強烈な形で入ったとも云えるかも知れません。全体 の枠組みは大きく変わっていないと思いますが、新連銀議長にとっては、中々厳 しい船出になりました。暫くは金融政策や金利の動向から目が離せないと思いま す。
さて、日本は明日から三連休です。ボラティリティから目を離し、一休息を取り、 良い週末をお迎え下さい。