世界の様々な地域で、様々な時期に、或る資産のバブルと云うものが起き、それはいずれ崩壊してきました。有名なものでは17世紀オランダで起きたチューリップの球根のバブルや、それこそ1980年代に起きた日本の不動産バブルがあります。
日本のバブルでは「皇居を買うお金があればカリフォルニア州を買える」と云うエコノミストの記事が世界的に大きな注目を集めました。

バブルはどうしても起き、どうしても崩壊するものですが、その崩壊のタイミングと大きさは決して予測することが出来ない、と云うのが、複雑系物理学の考え方で、私はこれは完全に正しいと考えています。

このような歴史上起きた全てのバブルに於いて、個人は高値掴みをして大きな損を被ってきましたが、唯一の例外が日本のバブルで、家計部門はバブルのピーク付近で不動産を大きく売り越しており、担保権の実行などの形でピークで不動産を大きく買い越したのは銀行セクターです。それが不良債権問題となった訳です。
日本の個人は、世界の歴史の中で見ても、特別に優秀な投資判断をしたことを、忘れるべきではありません。

さて昨日、アメリカの大手銀行JPモルガンチェースのCEOであるジェイミー・ダイモンは、ビットコインは典型的なバブルであり、チューリップバブルより酷く、いずれ崩壊することは間違いない、と発言しました。さてどうなることやら。世界的にビットコインを大きく保有しているのは日本にいる個人だと云われています。不動産バブルの時と同じように、うまく売り抜けることが出来るか。物理学の決まり通り、そのタイミングと大きさは予測することは不可能です。この問題は、なべてマーケット全般に云えることですが、だからこそリスク管理が肝要になります。気を付けましょう。

まぁしかし、ジェイミーの発言は動画で見て聞いてみたのですが、世界中にそのまま流れる枠組みの中の発言としては、ちょっと云い過ぎではありますね。