一昨日のつぶやきで、「ニュースからマーケットの動きを読むのではなく、マーケットからニュースの背景を読むことの方が、大切な時代かも知れません」と書きましたが、これは或る意味でマーケットと云う鏡を使ってその反射を見て、元の像を見ようとしている訳です。こう云う反射を通して物事を見ることは、マーケットに限らず、もっと広い領域においてすべきことであると、今更ながら思いました。

例えばトランプ政権。アメリカでは誰が大統領になっても、最初の数ヶ月、下手すれば1、2年は色々と混乱するものです。問題は今回の混乱が、今までと同様のものなのか?もし違うとしたら、それは程度の差なのか質にも差があるのか?「今回は質にも差があるかも知れない。アメリカが今までとは違う方向に向かおうとしているかも知れない」と答えた方がいました。

違う方向に向かおうとしているとはどう云うことか?それはトランプが違う方向を目指しているのか?違う方向を目指したアメリカ社会がトランプを大統領にしたのか?表面に出た現象と云う反射を通して実像を見ようとするアプローチを取ると、トランプはあくまでも反射であって、アメリカ社会自体が変わろうとしている、或いは変わろうとする力がそうでない力と拮抗している、と云えるでしょう。ここで「変わる」ことは、必ずしもいい方向に変わることだけを意味はしません。

正しいパースペクティブを持つ前に、先ずは反射も考えながら情報要素を探して確定しなければならない。難しい時代ですね。