金利はないものだと感じるようになって久しいですが、トランプがアメリカ大統領になることが決まって以来、事情が大きく変わりつつあります。いわゆるグレート・ローテーション。ドル高、株高、債券安(即ち金利上昇)が、着実に進行しています。この中で、少なくとも日本にいる我々にとっては、ドル高(円安)、株高が目立ちますが、アメリカの金利の上昇も、今後ジワジワと世界中に大きな影響を与えてくるでしょう。
トランプはアメリカのインフラを良くするための投資を積極的に行うと公言しており、次期財務長官であるムニューチンも、そのために50年債や100年債を発行する可能性にも言及しています。アメリカは他の先進国に比べて、国債発行残高の平均年限がとても短いです。他国は低金利を利用して、長めの資金調達をしていますが、アメリカはイールド・カーブ(横軸を年限、縦軸を利回りとした金利曲線)が他国のようにペッタンコではなくてそれなりに立っていることもあり、そしてとても大きな流動性を好んで、短めの年限で大量に国債が発行されています。ここに本当に50年債などの超長期債の発行が行われるとなると、イールド・カーブは更に立ってくるでしょう。
そうすると、いずれ債券投資でも妙味が出てきます。それは更に世界からアメリカ、ドルに対する投資需要となり、ドル高は続き、発展途上国や小さな資本市場からは資金が引き揚げられがちになるでしょう。日本の資本市場はアメリカに次いで巨大ですし、お金はいくらでもあり、比較論で云うと大きな問題は起きず、日米(と云うか米日)二強状態になるかも知れません。そんな動きが、今年は起きる可能性が十分あるでしょう。
個人投資家の皆さまにとっては、色々と選択肢も増え、やることが出来て、いい年になる可能性が高いと思います。そんな投資情報と投資機会を、しっかりとお届けしていきたいと思います。