某所に、小さな薬屋があります。間口一間半程度、奥行きも三間程度しかなくて、その奥に一畳程度の調剤スペースがある、かなり小さい薬屋です。化粧品なども売っており、しかし棚はそんなに混んでなくて、スカスカではないものの、案外余裕のある感じです。要は一見した限りでは、あまり品揃えが豊富には見えないのです。

ところが、実はこの薬屋さん、薬の製造もしています。症状や用途を云うと、棚の奥から、これですかねぇ、と云って見慣れぬ薬を出してきて、パッケージの裏を見ると、製造元だかなんだかにその薬屋さんの名前が書いてあって、要は工場は持ってないけれど、薬の製造だか設計だかをしているのです。更には漢方でも、火薬を調合したような、これまた聞いたことのないブレンド粉薬が出てきたりします。

そして私はその薬屋さんが好きなのです。おじさんに色々相談して、渡された薬をなんでもそのまま飲みます。社員は不思議そうにしてますが、私はおじさんのことを聞くと安心するのです。

さて、今日もその薬屋さんに行きました。11月は大量に出張が入っていて、旅芸人のように国内外を行ったり来たりします。そこで今日その薬屋に行きおじさんに、「いっぱい出張に行くので薬下さい」と、若干意味不明な投げ掛けをしました。おじさんは一切ひるまずに、「そうですねぇ。これですかねぇ」と或る薬を出してきました。なんと!しかし、当然それを買って来ました。そして出張に持って行きます。

病は気から。信じるものは救われる。この領域まで行くと凄いなぁ。でも薬を飲まないで済むように、丁寧に健康・体調管理をするのが肝要ですね!