五感は、そのどれが秀でてるかは人によって大きく違いますが、地域によっても或る程度の偏りがあるように思います。決めつけるのは危険ですが、人文地理的に考察を巡らすのは楽しいことです。

ウィーンはどうだろう?耳が発達していることは間違いなさそうです。これはコンサートに限らず、店などの音響にもそれを感じます。しかし五感のうちひとつだけを云い当てるのではつまらないので、敢えて優れたふたつを各地域に当て嵌めてみようと考えました。ウィーンのもうひとつは何だろう。鼻ではない。街には馬糞の匂いがたまにするし、まぁそれはいいとしてもどこにもいい匂いは感じませんでした。目?限られたサンプルですが、美術館の出来はコンサートに比べるとだんちの差がありました。あとは口か肌か。オーストリアのワインは中々美味しいです。肌のことは良く分かりませんが、耳と口でしょうか。

日本は明らかに口と鼻です。味覚が素晴らしいのは明白。お香とか、日本の嗅覚の素晴らしさは秀でてると思います。フランス人は?鼻ではない。目?しかし美術品はアメリカの方がいいものを集めている気もします。耳じゃないなぁ。あまりいい音楽を知りません。やはり口と肌でしょうか。肌とは若干夢想的推測が入っていますが。アメリカは?目と肌でしょうか。やはり自然があってダイナミックな光景のレンジがある方が視覚は発達するのでしょうか。肌ってとても人間っぽくて、どこか憎めないフランスとアメリカに共通している気もします。数少なそうな鼻の国へ、これから帰ります。