ムーディーズが、フィリピンの国債格付けを、Ba2からBa1に引き上げたとのこと。
やはり中国に近い地の利が効いているのでしょうか。御存知の方も多いと思いますが、国債の格付けはAAA(トリプルエー)、AA(ダブルエー)、A(シングルエー)、BBB(トリプルビー)という順に下がってきて、それぞれに1から3までの段階があります。このBBBの一番下、Baa3までが"投資適格"と呼ばれ、その下のBB(ダブルビー)から投資不適格になります。Ba1というのは、あと一段階で投資適格になるということです。因みにスペインの格付けはBaa3、BBBの一番下で、フィリピンのたったひとつ上です。ポルトガルはBa3、フィリピンのふたつ下です。
フィリピンというと、民主主義はあるがとても貧しい国、というイメージが私には強いのですが、時代は変わってきているのでしょう。気を付けなければいけないのは、国債の格付けとは、国の格や国力を評価しているのではありません。2002年6月17日のつぶやきから引用すると、
「例えばこう考えてみましょう。甲さんは家柄はいいのですが浪費癖があり、年収1000万円に対して毎年2000万円使ってしまい、既に1億円の借金があります。プライドが高く、借金を頼まれるとすぐ貸してしまいます。贅沢三昧で脂肪肝になており、肥満体ですが、薬を飲んでいるので長生きしそうです。一方乙さんは、貧乏ですが堅実に暮らしています。年間100万円しか収入がないのですが、助けてくれる人も多く、毎年100万円は寄付を受けていて、かつ向こう10年間、寄付の約束を取り付けています。総収入の範囲内で暮らしているので、借金はありません。
(中略)さて、甲さんと乙さん、それぞれから5万円の借金を頼まれたら、あなたはどちらに貸しますか?国債の格付けとはそういうものです。」
となります。ですからスペインとフィリピンの国としての格(もしそういうものがあればの話ですが)や国力がほぼ同じだと云ってる訳ではないのですが、それでも尚、世界経済地図が変わってきていることを感じます。実際に両方の国を見に行けると楽しいのですけどね!