日銀の金融緩和。昨日はうっかりこの件についてつぶやかず、ポカをしてしまいました。昨日は朝に、某電力会社と政府のやりとりに関する記事を読んでスイッチが入ってしまい、ずっと頭から離れなかったものですから、折角の日銀の英断について書き忘れてしまいました。本当にすいません。

日銀の英断とは、資産買い入れ枠の増大ではなく、「中長期的な物価安定の目途」なるものを作り、それを1%として明示したことです。用語は一人歩きしますが、いわゆるインフレターゲットに近いものです。但し白川総裁は、FRBが発表した枠組みについてバーナンキ議長がそう呼ばれるのを嫌っているように、日銀の枠組みも、インフレターゲットと呼ばれることには抵抗があるようです。「物価安定目途の金融政策運営の枠組み」と御自身は表現されています。

いずれにしろ、この「目途」、即ち目標(よりは若干弱い意味合いを含ませているのでしょうが)を持ったことに大きな意味があると私は思います。マーケットには期待や目的地が必要です。資金が供給されてあとは結果的にプライスが動くのに任せるのではなく、プライスの目的地を中央銀行が持ったことは(例え日銀だけで実現できないものではあっても)、やはり今までとは大きく質的な違いがあると思います。ようやく視界が晴れてきた気がします。目標を持つことにより、マーケットが今までよりもずっと弾性を持ってくることを、強く信じています。