今日は埼玉県民の日。私は出身が浦和市ですから、忘れようにも忘れられない日です。埼玉県の皆様、おめでとうございます。しかし今日はその話ではなく、小春日和についてです。今日のランチはシンガポールからの知り合いのもてなしで、私はオフィスの近くのレストランまで5分ほど歩いていきました。その往き来が、都心の真ん中の出来事で、且つ短い時間であったにも拘わらず、本当に穏やかな天気で、心底気持ちのいいものでした。今は旧暦10月。正真正銘の小春日和です。
吉田兼好曰く、『春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。春はやがて夏の気を催し、夏よりすでに秋は通ひ、秋はすなはち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり。』
室生犀星曰く、『よりそえば小春日和の匂いして あんずあまそうなひとはねむそうな 少女らのむらがる芝生萌えにけり 竹の風ひねもすさわぐ小春かな』
これらを読むと、小春は新春のイメージがあるのですが、或いはこの時期(11月)に、新春をも予感させる穏やかな日があると云うことなのかも知れません。季節は巡る。マーケットも同様に、寒くなる中に既に暖かくなる兆しが隠れているものです。楽観や未来に対する建設的な展望は、いつも大切だと思っています。