ECB(欧州中央銀行)は、アメリカ、イギリス、日本、スイスの中央銀行と連携して、米ドルを金融システムに供給することにしました。脆弱になっている欧州の金融システムが綻びるのを避けるためですが、一方で世界各国は自国通貨を安くしたい欲望がありますから、中々複雑な話です。通貨もモノの値段のように、供給が増えれば安くなるのが道理です。ですから自国通貨高に困っている、特に日本やスイスにとっては、悩ましい協力の要請だったのではないでしょうか。しかしそれでも彼らは協力した。それだけ事態が深刻だとも考えられますし、それだけ先進国主要中央銀行間のコミュニケーションが進んでいるとも考えられます。恐らく両方が混ざっているのでしょう。リスクを裏腹に流動性が供給される中で、短期的にボラティリティは更に高まる可能性があるでしょう。暫くは注意が必要ですね。しかし全ては、ソフトランディングするために努力・協力していることです。いい結末になることを願いたいと思います。